東京書籍の地図の教科書誤りは1000か所余 文科相は再発防止を指導

東京書籍の高校の地図の教科書に1000か所余りにのぼる間違いがあったことについて、永岡文部科学大臣は、大変遺憾だとして再発防止のため強く指導する考えを示しました。

教科書会社大手の東京書籍の高校の地図の教科書「新高等地図」は、文部科学省の検定を経て発行され、今年度からおよそ3万6000冊使われていますが、索引でのページや地図上の地名などの誤りが1000か所余りにのぼり、東京書籍は訂正して、改めて希望する学校に配布しています。

これについて永岡文部科学大臣は、閣議のあとの記者会見で「供給前に発行者が校正作業を徹底して、適正に訂正を行うことで防ぐことができた。その訂正が供給後の対応となったことは大変遺憾だ。今後このような事態が生じないよう強く指導していきたい」と述べました。

文部科学省によりますと、東京書籍に対しては今回の訂正の申請が行われた去年10月に行政指導していて、今後も再発防止に向けて指導していくということです。

間違いが見つかった教科書は

間違いが見つかったのは、東京書籍の「新高等地図」です。文部科学省の検定を経て高校1年生向けに発行され、今年度からおよそ3万6000冊使われています。

東京書籍によりますと、この教科書には、索引でのページや表記の誤りがおよそ1000か所あったほか、カンボジアの首都「プノンペン」を「ブノンペン」と表記するなど、地図上の地名などの誤りもおよそ50か所あったということです。

このほか、ウクライナの首都を「キエフ」から「キーウ」にするなど社会情勢の変化による変更もあり、訂正は合わせておよそ1200か所になったということです。

去年、高校の教員から指摘があり、社内で点検したところ誤りが相次いで見つかったということで、「東京書籍」は訂正した教科書を改めて作成し、先月になって希望する学校に配り始めるなど、異例の事態になっています。

原因について東京書籍は、コロナ禍の在宅勤務などの影響で委託業者などと十分にコミュニケーションを取れなかったことや、校閲作業が不十分だったことなどを挙げています。

東京書籍は「先生や生徒、保護者の皆様に大変ご迷惑をおかけし深くおわび申し上げます」としています。