4月以降の年金支給額 3年ぶりに引き上げも 実質的には目減り

ことし4月以降の年金支給額は3年ぶりに前の年度より引き上げられるものの、将来の給付財源を確保するための「マクロ経済スライド」と呼ばれる措置により、支給額の伸び率は物価や賃金の上昇率よりも低く抑えられ、実質的には目減りすることになります。

年金の支給額は、物価と賃金の変動に応じて毎年改定されていて、厚生労働省は、
▽去年の物価の変動率がプラス2.5%、
▽名目賃金の変動率がプラス2.8%、
となったことを受けて、ことし4月以降の公的年金の支給額を発表しました。

それによりますと、支給額は3年ぶりに前の年度より引き上げられ、
▽67歳以下は2.2%、
▽68歳以上は1.9%、
それぞれ増えます。

具体的には、自営業者らが受け取る国民年金は、
▽67歳以下の満額で月額6万6250円と1434円増えるほか、
▽68歳以上は月額6万6050円と1234円引き上げられます。

また、
▽厚生年金では、いずれも67歳以下の会社員だった夫と専業主婦のモデル世帯では月額22万4482円と4889円増えます。


ただ、今回の改定では、将来の給付財源を確保するため、年金支給額の伸び率を物価や賃金の伸び率よりも低く抑える「マクロ経済スライド」と呼ばれる措置が3年ぶりに適用されたため、本来の伸び率よりも0.6%抑えられたことから、実質的には目減りすることになります。