3億円で購入「ブリロの箱」“保有・展示の是非は投票で”鳥取県知事

アメリカのポップアートの旗手、アンディ・ウォーホルの作品「ブリロの箱」を鳥取県がおよそ3億円で購入したことに対し、賛否の声が上がる中、平井知事は、建設中の県立美術館が開館した後およそ3年をかけて、来館者に投票してもらうなど、時間をかけて作品の収蔵について議論すべきだという考えを示しました。

2年半後のオープンを目指して倉吉市で建設が進められている県立美術館のために購入したアンディ・ウォーホルの「ブリロの箱」をめぐっては、およそ3億円の購入費用について県民から賛否の声が上がっていて、県は各地で説明会を開いて理解を求めています。

この「ブリロの箱」について、平井知事は11月17日の定例の記者会見で「議論をすることで、子どもたちやいろいろな世代の人の美術に対する理解が深まり、美術館を作った意義が逆に生まれるのではないか。県が保有して展示し続けることが是か非か、来館者や県民に投票してもらって、3年ぐらいかけて判定するのがよいのではないか」と述べ、時間をかけて議論を進めるべきだという考えを示しました。

投票の結果、否定的な意見が多かった場合にどうするのか記者から問われると、平井知事は「いま決めきることはできない。開館後に判断すべき時期があってもいいのではないか。その判断については、県民のニーズである以上は謙虚に受け止めるべきだと思う」と述べました。

このほか「ブリロの箱」の購入費用、およそ3億円を支出した「美術品取得基金」について、通常は支出したあと一般会計の補正予算から支出分を補う仕組みになっていますが「ブリロの箱」をめぐって議論が続いているとして、基金への補てんを凍結することを明らかにしました。