“家政婦に労基法適用されない規定廃止を” 遺族が署名提出

家政婦だった女性が長時間勤務のあと死亡したとして労災認定を求めている遺族が、家政婦には労働基準法が適用されないという規定を廃止すべきだとする3万人分以上の署名を集め、厚生労働省に提出しました。家政婦を巡っては厚生労働省が働き方の実態調査を行う準備を進めています。

署名を提出したのは、家政婦として働いていた当時60代の女性が、長時間勤務のあと死亡したとして、裁判で労災認定を求めている75歳の夫や支援団体です。

国は労働基準法で家庭内で働く家政婦は、一般の労働者と働き方が異なり労災の対象外だとしたうえで、通達で利用者の指示ではなく、事業者の指揮命令のもとで家事を行う場合は労災の対象になるとしていて、1審の東京地方裁判所は9月に「女性が行っていた家事は利用者側との雇用契約に基づくもので会社の業務ではない」として、法律の規定に基づいて訴えを退けました。

夫は控訴するとともに、法律の制定当時と今とでは家政婦の働き方は異なり、規定を廃止すべきだとするオンラインで署名活動を行い、3万5350人分が集まったということです。

厚生労働省によりますと、家政婦の雇用状況や労働条件について最後に調査が行われたのは昭和36年だということで、新たな実態調査に向けた準備を進めています。

女性の夫は会見で「法律の公布から75年間、国は家政婦の働き方について見て見ぬふりをしてきた。社会に必要不可欠な労働をしているにもかかわらず、妻と同じような扱いを受ける人をなくしていく必要がある」と話していました。