首相 旧統一教会被害者救済の法整備へ 与野党協議進展に期待

旧統一教会の問題をめぐり、岸田総理大臣は、政府与党連絡会議で被害者救済の法整備に向けた与野党協議が進展することに期待感を示したうえで、与党と連携して準備ができた法案から臨時国会に提出する考えを重ねて示しました。

この中で岸田総理大臣は、旧統一教会の問題について「宗教法人法に基づく報告徴収や質問権行使による事実把握と実態解明、被害者の救済、そして立法による再発防止の3点に全力で取り組んでいく」と強調しました。

そのうえで「将来の被害防止や被害者救済のための与野党協議の議論が進むことを期待している。政府としても与党とよく連携し、準備ができた法案から臨時国会に提出する」と述べました。

また、岸田総理大臣は、事情が許せば今月11日からG20サミット=主要20か国の首脳会議やASEAN=東南アジア諸国連合関連の首脳会議などに出席するため、カンボジア、インドネシア、タイの3か国を訪問することを明らかにし「主要国と会談も行って国際的な課題について議論を深め、日本の立場と取り組みを発信する」と述べました。

このほか、物価高などに対応する政府の総合経済対策の裏付けとなる今年度の第2次補正予算案を8日に決定し、早期成立を目指す考えを示しました。

救済法に “与野党党首会談 不要”公明 山口代表

旧統一教会の被害者救済を図る新たな法律をめぐり、立憲民主党が求めている与野党の党首会談について、公明党の山口代表は、実務者による協議が続いているとして、現時点では必要ないという認識を示しました。

旧統一教会の被害者救済に向け、悪質な献金を規制する新たな法律について、立憲民主党の岡田幹事長は6日、今の国会で成立させるには、今週中に与野党の党首間で大枠で合意しないと間に合わないとして、党首会談の開催を求めました。

これについて公明党の山口代表は、記者団に対し「与野党4党の実務者による協議で真摯(しんし)な議論が続いており、合意できたところから法案を順次出すという姿勢は確立されている。あえて党首会談をやらなければならないという状況ではない」と指摘し、現時点では必要ないという認識を示しました。

また、新たな法律について「原則として、憲法の人権に関わる立法は、法案作成の慎重さと精緻さの観点から、政府が責任を持って提出する方向で検討することが望ましい。与野党協議のやり取りを生かしながら、政府と与党で野党案とは違った形で法案が作れればいい」と述べました。