異例の頻度 北朝鮮ミサイル Jアラートも「火星17型が失敗か」

浜田防衛相「日本海上空で消失を確認」

浜田防衛大臣は、11月3日午前9時ごろ、防衛省で記者団に対し、北朝鮮が7時40分前後に、多数のミサイルを日本海方面に発射したことを明らかにしました。

浜田大臣は「このうち1つは、高度がおよそ2000キロ、飛しょう距離はおよそ750キロで、日本海に落下し、中長距離の弾道ミサイルと思われる」としています。

また浜田大臣は、これとは別のミサイルについて「日本列島を越えて飛しょうする可能性があると探知したのでJアラートでその旨を公表したが、その後、情報を確認したところミサイルは日本列島を越えず、日本海上空で消失したことが確認されたので訂正する」と述べました。

そのうえで「北朝鮮はきのうも23発以上のミサイルを発射し100発以上の砲撃を行ったとの情報に接しており、防衛省として緊張感をもって警戒監視にあたっていく」と述べました。

岸田首相「暴挙であり 決して許されない」

岸田総理大臣は、午前9時ごろ、総理大臣官邸に入る際、記者団に対し「さきほど弾道ミサイルが発射された。連日続く発射は、暴挙であり、決して許されるものではない。すでに被害の有無の確認、国民に対する適切な情報提供、分析などの指示を出したところだ。詳細はこれから確認する」と述べました。

松野官房長官「EEZ内側への落下報告されず」

松野官房長官は、北朝鮮が3日朝、ICBM=大陸間弾道ミサイルの可能性があるものも含め、複数の弾道ミサイルを発射したことを明らかにしました。いずれも日本のEEZ=排他的経済水域の内側への落下は報告されていないとしています。

このうち、午前7時40分ごろに発射されたものは、日本列島を越えて飛行する可能性があると探知したものの、日本海上空でレーダーから消失したことが確認されたということです。

被害に関する情報は確認されていないことを明らかにしました。

また、「直ちに北京の大使館ルートを通じ、北朝鮮に厳重に抗議し非難した」と述べました。

防衛省 北朝鮮から多数のミサイル 日本海の方向に発射

防衛省は3日午前7時40分前後に北朝鮮から多数のミサイルが日本海の方向に発射されたと発表しました。

このうち1つは高度が2000キロ程度、飛行距離がおよそ750キロで、日本海に落下し、中長距離弾道ミサイルとみられるということです。

また、このミサイルとは別に午前7時40分ごろに北朝鮮西岸から発射されたミサイルは、日本列島を越えて飛行する可能性があることを探知したためJアラートで公表したものの、実際には日本列島を越えず日本海上空で消失したことが確認されたので訂正したとしています。

Jアラート 3発とは別の物体を探知 実際は日本列島を越えず

防衛省によりますと、3発の弾道ミサイルとは別に、政府は午前7時50分ごろから8時ごろにかけてJアラート=全国瞬時警報システムなどで、宮城県、山形県、新潟県を対象に北朝鮮からミサイルが発射され、上空を通過したとみられるなどと情報を発表しました。

防衛省は日本列島を越えて飛行する可能性があると探知したものは、実際には日本列島を越えず、日本海上空でレーダーから消失したことが確認されたとしていて、ミサイルだったかどうかも含めて詳しい分析を進めています。

最高高度2000キロ、飛行距離750キロ

防衛省によりますと、3日午前7時台から8時台にかけて、北朝鮮から少なくとも3発の弾道ミサイルが東の方向に向けて発射されました。

このうち午前7時39分ごろに西岸付近から発射されたものは最高高度が2000キロ程度、飛行距離がおよそ750キロで、日本のEEZ=排他的経済水域の外側の日本海に落下したということです。このミサイルについてICBM=大陸間弾道ミサイル級の可能性があるとしています。

また、午前8時39分ごろと8時48分ごろに内陸部から発射された合わせて2発の弾道ミサイルは、いずれも最高高度は50キロ程度、飛行距離はおよそ350キロで、日本のEEZの外側の朝鮮半島東岸付近に落下したということです。

防衛省は、3日午前7時台から8時台にかけ北朝鮮からICBM=大陸間弾道ミサイル級の可能性があるものも含めて少なくとも3発の弾道ミサイルが東の方向に向けて発射されと発表しました。

「火星17型が飛行に失敗したか」韓国KBS

北朝鮮が3日午前7時40分ごろに首都ピョンヤン郊外から日本海に向けて発射した長距離弾道ミサイルについて、韓国の公共放送KBSは、新型のICBM=大陸間弾道ミサイル「火星17型」と推定され、飛行に失敗したもようだと伝えました。

北朝鮮「火星17型」2段目を切り離し後 正常飛行しなかったか

北朝鮮が3日朝発射した長距離弾道ミサイルについて、韓国メディアは、新型のICBM=大陸間弾道ミサイル「火星17型」が2段目の切り離し後に正常に飛行しなかったと伝えています。相次ぐ発射などを受けて米韓両軍は4日までとしていた空軍による大規模な共同訓練の延長を決め、北朝鮮のさらなる挑発に警戒を続けています。

韓国軍は、北朝鮮が3日朝、首都ピョンヤン郊外のスナン(順安)付近から長距離弾道ミサイル1発と、西部のピョンアン(平安)南道ケチョン(价川)付近から短距離弾道ミサイル2発を、それぞれ日本海に向けて発射したと発表しました。

このうち長距離弾道ミサイルについて、韓国の通信社、連合ニュースは、軍が新型のICBM=大陸間弾道ミサイル「火星17型」と判断していて、1段目と2段目が切り離されたあと、正常に飛行しなかったもようだと伝えています。

米韓空軍の共同訓練 実施期間を延長

一方、韓国軍は、アメリカ軍と共同で最新鋭のステルス戦闘機などおよそ240機を投入して行っている、空軍による大規模訓練について、4日まで5日間の予定だとしていた実施期間を延長することを決定したと発表しました。

北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイルの発射などを受けたもので、共同訓練をいつまで延長するのかは検討中だとしています。米韓両軍は訓練期間の延長に反発する北朝鮮のさらなる挑発に警戒を続けています。

外務省幹部「米韓の大規模共同訓練への対抗だろう」

外務省幹部は午前9時前、記者団に対し「現在、総理大臣官邸で情報収集中だ。アメリカ軍と韓国軍が行っている大規模な共同訓練への対抗だろう」と述べました。