全国学力テスト上位県で“事前対策” 富山も学校の半数近くで

小学6年生と中学3年生を対象に実施されている「全国学力テスト」で全国トップクラスの成績が続く富山県でも、半数近くの学校の教員が「事前対策が行われた」と県教職員組合のアンケート調査に答えたことが分かりました。

ことし4月に行われた全国学力テストをめぐり、石川県や秋田県では県教職員組合の調査で、多くの学校や教員が「事前対策」をしていたことが明らかになっています。

富山県はこのテストで、▽小学6年生の「算数」で全国3位、それに▽中学3年生の「数学」と「理科」で全国3位となるなど全国トップクラスの成績が続いていますが、県教職員組合が教員を対象にアンケート調査を実施したところ、回答した教員が勤務する156校のうち47.4%に当たる74校の教員が「何らかの形の事前対策が行われた」と答えたということです。

どのような対策か複数回答で聞いたところ、
▽「昨年度中に過去問や復習プリントなどを行った」という学校が26.3%、
▽「今年度になってから行った」が21.2%、
▽「春休みの課題として行った」が13.5%でした。

また、テストをめぐる問題点について聞いたところ、「テストの終了後、傾向を分析したり対策を考えたりする研修があり負担になっている」が最も多い35%で、学力テストの対策に多くの労力を割いていることがうかがえます。

ほかにも「テストの結果を指導に生かせない」が26%、「事前対策に時間を取られて本来の学習時間の不足につながっている」が24%でした。

県教職員組合は「学力テストの趣旨から外れ、新学期の立ち上げなどで忙しいなか不必要な事前対策が行われている。テストの廃止を含め、抜本的な見直しを求めていきたい」とコメントしています。