「国葬」与野党の反応は
各知事 関係者も様々

安倍元総理大臣の「国葬」が9月27日に行われました。「国葬」をめぐっては世論の賛否が分かれる中で実施されました。
与野党の政治家や参列した知事などの反応をお伝えします。

自民 茂木幹事長「敬意と弔意を表す国の儀式 行うことは適切」

自民党の茂木幹事長は記者会見で、世論の賛否が分かれたまま、27日の「国葬」の開催となったことについて「岸田総理大臣は国会などで丁寧な説明に努めてきたと考えている。安倍元総理大臣は、国内外の幅広い分野で大きな功績を残し、今回、210を超える国と地域から700人の弔問客が参列することも踏まえて、故人への敬意と弔意を表す国の儀式として行うことは適切だ」と述べました。

自民 萩生田政調会長「政府の思い 国民に上手に伝わらなかった」

安倍派に所属し、安倍氏が今後のリーダー候補の1人に挙げていた自民党の萩生田政務調査会長は、党本部で記者団に対し「安倍氏は晴れ男と自負していたが、本当に気持ちのよい秋晴れで『もう前を向いて前進しろ』と言われているように感じた」と述べました。
そのうえで「安倍外交のレガシーが根付いていることを強く感じた。悲しみは癒えないが、安倍氏から学んだことをこの国の将来のために発揮していきたいとの決意を新たにした」と述べました。
一方、今回の「国葬」について「民主主義の土台をつくる選挙の最中に、銃撃によって殺され、わが国は暴力に屈しないということを内外に示す意味で必要だった。岸田総理大臣の決断を評価したい」と述べました。
ただ、一連の政府の手続きについては「各党には丁寧に説明することも必要だったと、いまとなっては考えている。政府の思いが、国民に上手に伝わらなかったと反省している」と述べました。

自民 世耕参院幹事長「国葬に関する基準やルールつくるべき」

安倍派に所属する、自民党の世耕参議院幹事長は、記者会見で「改めて安倍氏の業績の大きさを痛感した。いろいろあった中で、ぶれずにしっかりと執り行った岸田総理大臣はじめ政府関係者に心から感謝を申し上げたい」と述べました。
そのうえで、「国葬」に関する政府のこれまで説明について「説明はもう尽くされたのではないか。今回、これだけ世論が割れたことを踏まえれば、国葬に関する基準やルール作りをするべきだ。内閣総理大臣を一定の長さ務めた方は、国葬で送るべきだと考えており、今後、議論を深めたい」と述べました。

自民 二階元幹事長「国際社会における実績 誇らしく思う」

第2次安倍政権を幹事長として支えた自民党の二階元幹事長は、コメントを発表し「各国の指導者が哀悼の気持ちを持って出席するという行動に導いた安倍元総理大臣の国際社会における実績について誇らしく思う。在りし日の遺影の前で、ただただ天国で安らかにお眠りいただきたいという思いで献花をささげた」としています。

自民 甘利前幹事長「荘厳な雰囲気 よいお別れできた」

安倍元総理大臣と長年、盟友関係にあった自民党の甘利前幹事長は、国会内で記者団に対し「世界中から弔意が寄せられ、荘厳な雰囲気の中で執り行われ、よいお別れができた」と述べました。
一方、世論の賛否が分かれる中で『国葬』が実施されたことについては「いろいろな声があったと思うが、岸田総理大臣は自身が判断をしたとおっしゃった。よく判断していただいたと感謝する」と述べました。

自民 塩谷元文科相「実施はその時の総理が判断するもの」

安倍派の会長代理を務める塩谷・元文部科学大臣は、国会内で記者団に対し「厳粛のうちに整然と行われたことは大変よかった。できれば、国民からより多くの理解がいただけたらと思うが、国葬儀自体は大変すばらしいものになった」と述べました。
そのうえで、「国葬」実施の判断について「その時の総理が判断すると思っており、今回の判断は間違っていなかったと思う。その後、いろんな問題が騒がれたことで、抗議の動きが出てきたと思うが、もう少し、日本の偉大な政治家が亡くなったことを悼み、皆でお送りすることをしっかり見つめていただければありがたい」と述べました。
また、安倍氏のあとの新しい会長を置いていない今後の安倍派の体制については「国葬儀は一つの区切りだと思っているが、具体的にどうするかは、これからしっかり検討していく」と述べるにとどめました。

立民 泉代表「『国葬』のあり方について課題や禍根を残した」

立憲民主党の泉代表は、記者団に対し「凶弾に倒れた1人の元総理大臣にお悔やみを申し上げるが、『国葬』のあり方については大きな課題や禍根を残した。国民の理解は得られず、相当な違和感や疑問、反発がある中で行われたと思うので、今後の検証は臨時国会でも取り上げたい」と述べました。

そのうえで、泉代表は、党の執行部がそろって欠席したことについて「時の内閣による『国葬』の恣意的な政治利用を許さないという一貫した姿勢を示すことができた。法的根拠もあいまいで、国会の関与もない中で内閣が決定できることの危うさを伝えたことが、国民の『国葬』に対する評価につながった。今回、分断や反発を持ち込んでしまったのは、本来、元総理大臣を送る際のあり方としては正しくない」と述べました。

維新 馬場代表「改めて偉大な政治家であったこと実感」

日本維新の会の馬場代表は、記者会見で「改めて安倍元総理大臣が偉大な政治家であったことを実感し、国内外の皆さんが参列した中で『国葬』が営まれたことはよかった。今回、岸田内閣は、国民が納得できるような手順が抜け落ちており、臨時国会では『国葬』のルールづくりや検証について質問していきたい」と述べました。

公明 山口代表「国際社会で日本の存在感高めた功績に感謝」

公明党の山口代表は、記者団に対し「安倍氏が大きな業績を残したことが、諸外国の弔問客の参加に表れていたように思う。国際社会における日本の存在感を高からしめた功績に改めて感謝を申し上げ、それを引き継ぎながら、これからも平和と安定のために尽くしていかなければならない」と述べました。
一方、今回の「国葬」をめぐっては「内政外交にわたるさまざまな安倍氏の仕事は評価の分かれるところもあり、国葬儀に対するさまざまな考え方があるのも事実だが、国際社会の皆さんのほうが、ありのままに安倍氏の仕事ぶりを評価してくれているのではないか。そのことをもっとストレートに訴えてもよかったのではないか」と述べました。

共産 志位委員長「『国葬』強行 この暴挙に断固抗議したい」

安倍元総理大臣の「国葬」に反対する市民グループなどが「国葬」の時間に合わせ、国会議事堂周辺で開いた集会には、立憲民主党、共産党、れいわ新選組、社民党の国会議員も参加しました。
このうち、共産党の志位委員長は「岸田政権は国民の6割以上が反対の声を上げているにもかかわらず『国葬』を強行しており、何が『聞く力』なのか。この暴挙に断固抗議したい」と述べました。
そのうえで「なぜ安倍氏のみを特別に『国葬』にするのか、国民全員が納得する理由を岸田総理大臣は示していない。『法の下の平等』に反して亡くなった人を最悪の形で政治利用するものであり、絶対に許すわけにはいかない。憲法違反であるという点は絶対にあいまいにしてはならない」と訴えました。
また、志位委員長は記者団に対し「国民の6割以上の反対の声を全く無視し、一顧だにしないで『国葬』を強行したことに強く抗議したい。法の下の平等に反し、思想・良心の自由を侵害する憲法違反の暴挙を強行したことについて国会できちんとただしていく。憲法をほごにするようなことが横行する国にしてはならない」と述べました。

国民 玉木代表「賛否が分かれ残念 基準づくりを」

国民民主党の玉木代表は、記者会見で「外国からたくさんの弔問客が来るので、滞りなく式が行われることを期待したい。私も参列し、花を手向けて弔いの思いを伝えたい」と述べました。
そのうえで「『国葬』への賛否が分かれていることは残念で、十分な説明が行われてこなかったことは大変問題だ。今回、混乱が生じたことを踏まえて、速やかに『国葬』の基準づくりに着手すべきで、岸田総理大臣に求めていきたい」と述べました。
また、記者団に対し「国内外の多くの方が参列して厳粛な雰囲気の中で行われたことはよかった。反対の声が多数あることも承知しており、賛否が分かれる形で行われたのは残念だ。今後、こうした混乱が生じないように、『国葬』の基準と手続きを定める議論を国会で速やかに行うべきだ」と述べました。

れいわ 櫛渕副幹事長「法的根拠なく認められない」

れいわ新選組の櫛渕副幹事長は国会議事堂周辺で開かれた集会で「台風15号による豪雨で静岡では深刻な被害が出ている中『国葬』よりも被災者の暮らしの救済が先ではないか。法的根拠のない『国葬』を堂々と行うことは常軌を逸した行為で、断じて認めることはできない」と述べました。

山口県 村岡知事「賛否分かれ 大きな議論になったこと残念」

「国葬」に参列した山口県の村岡知事は「8年8か月という歴代最長の長きに渡り国政を引っ張ってきた。県政にも大変な力添えをいただき、さまざまな相談にも親身に答えていただいた。そうしたこと一つ一つを思い起こしながら感謝の気持ちを込めてご冥福をお祈りした。お亡くなりになられてから、賛否が分かれて大きな議論になったことは残念なことだと思う」と話していました。

東京都 小池知事「長蛇の列こそが多くの方々の思い」

東京都の小池知事は、安倍元総理大臣の「国葬」に参列したあと都庁で記者団に対し「いいお見送りができ、感謝のことばを伝えることができた。何より花を手向けたいという方々の長い列は、まさしく静かに心を伝えたいという思いの表れだと思う」と述べました。
また、記者団からの「国葬に反対する意見があることをどう考えるか」との質問に対しては、「静かにお見送りができてよかった。あの長蛇の列こそが多くの方々の思いではないか」と述べました。

大阪府 吉村知事「おかしなところあるが お見送りできよかった」

「国葬」に参列したあと、大阪府の吉村知事はNHKの取材に対し「G20大阪サミットの開催や大阪・関西万博の誘致で、本当にお世話になりお見送りできてよかった。賛否はあると思うし、国葬の方法や決め方でおかしなところは確かにあると思うが、静かにお見送りしたいという思いがあり、それができてよかったと思う」と述べました。

岩手県 達増知事 「分断するような形の行事 基本的によくない」

「国葬」に参列した岩手県の達増知事は、「決してあってはならないことが起きてしまい、その重みをかみしめて、みんなでこうしたことが起こらないようにしていこうという日だと感じている。きょうは国が閣議決定に基づいておこなった行事なので、私心を排して、地方行政機関の長として参加したが、国論や国民を分断するようなかたちの行事を国が行うのは基本的によくないことだ。政府には今回のことをよく反省しながら、日本をよくするためにどうすればいいのか考えて行動に移していってほしい」と話していました。

千葉県 熊谷知事「継続して議論や整理をしていくことが望ましい」

千葉県の熊谷知事は安倍元総理大臣の国葬に参列したあと、記者団に対し「安倍政権の時代にあったさまざまな政策を思い起こしながら敬意を持って花を手向けさせていただいた」と述べました。
そのうえで「賛成でない方々が多くおられるわけで、そういった方々には十分に説明が尽くされたとは思われていないのではないか。実施したから終わりではなく、どのような場合に国葬を行うのかなど、継続して議論や整理をしていくことが望ましい」と述べました。
また、自治体によって弔意の示し方の判断が分かれたことについて「地方自治体に判断を任せる話ではないと思う。国葬と決めたのであれば、少なくとも政府が過去の前例に鑑みて自治体に通知を行うのが妥当だったのではないか」と述べました。

政府の分科会 尾身会長「長い間 尽力してもらった」

「国葬」に参列した政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は、「世論にいろいろな意見があることは認識しているが、私は、新型コロナ対策で何度も会って議論してきたので、哀悼の意を表したいと思い、参列した。特に、緊急事態宣言を出す前日に議論したことを覚えていて、人流を8割抑えることについて強い関心を示していた。長い間、総理として新型コロナに尽力してもらったので安らかにお休みくださいという思いだ」と話していました。

国際政治学者 三浦瑠麗氏「幅広い人脈を改めて実感した」

「国葬」に参列した国際政治学者の三浦瑠麗氏は「各界の重鎮が参列し幅広い人脈を持った方だったことを改めて実感した。昭恵夫人のためにも安らかに眠ってほしいという思いで花を手向けた。世論が割れたことについては、国民が悼む気持ちを持ちやすい亡くなってからすぐの時期の開催を検討するなど外国の例ももっと参考にし柔軟に考えるべきではないかと思った」と話していました。