「国葬」反対の市民グループが各地で集会「国葬はおかしい」

安倍元総理大臣の「国葬」が行われる東京の日本武道館の周辺では、午前中から国葬に反対する市民グループが集会を開き、「国葬」の中止を訴えました。

日本武道館から1キロほど離れた東京・千代田区の公園には、9月27日午前11時前から、市民グループの呼びかけでおよそ300人が集まりました。

会場では、登壇した人たちが「安倍政権がやってきた政策は少数派を切り捨てていて、認められない。国葬はおかしいという声を上げ続けよう」などと述べ、国民の意見が分かれる中で「国葬」が実施されることを批判しました。

参加した20代の男子大学生は「国葬をこのまま行うことに疑問を感じ、反対の意思を示したくて初めてデモに参加しました。世論調査では反対が過半数を超えていて国民の分断が続いていると思います」と話していました。

また60代の女性は「法的根拠があいまいなまま国葬を強行することは認められないと思います。生活が苦しい人がたくさんいる中で税金を投入しないでほしい」と話していました。

会場周辺に複数の市民グループ集まり騒然も

また、日本武道館の周辺では、安倍元総理大臣の「国葬」が始まった午後2時ごろになると、複数の市民グループが集まり騒然とする場面も見られました。

このうち「靖国通り」の九段下交差点には、国葬の反対を訴えるグループや国葬を支持するグループなど、複数の市民グループが集まって拡声機でそれぞれの主張を訴えていて、混乱や衝突を防ぐため、大勢の警察官が出動して、警戒にあたっていました。

「国葬」に反対する市民グループ 日比谷公園で集会

安倍元総理大臣の「国葬」に反対する市民グループは都内で集会を開き、「弔意を強制する国葬には反対だ」などと訴え中止を求めました。

市民グループは「国葬」の開式に先立って、27日正午すぎ、東京 千代田区の日比谷公園で集会を開き、主催者発表によりますと、およそ2500人が集まりました。

集会では、呼びかけ人の1人で、作家の落合恵子さんが「私たちの血税は市民の暮らしにこそ使われるべきだが、それが国葬に使われている。何のための国葬か問いかけたい。国民のことを考えていないという事実に、私たちには抗議する権利があり、その思いを後世に残していかないといけない」と訴えました。

このあと参加者たちは「国葬反対」とか「弔意の強制を拒否します」などと書かれたプラカードや横断幕を掲げ、日比谷公園を出発して1時間余りにわたって都内をデモ行進しました。

千葉県から参加した74歳の自営業の男性は「税金を使うので国会の承認を得るべきだが、それが難しいので閣議決定で決めた。そのプロセスは理解できないもので決して認められない。多くの国民が反対していることを今後に伝えるためにも最後まで声をあげたい」と話していました。

都内の女子大学生は「多くの人が反対しているのに、政府の判断で国葬が行われようとしている状況に我慢できず、声をあげないといけないと思い参加しました。安倍さんが亡くなった時はなぜこんなことが起こったのかと思いましたが、国葬という形で美化するのは間違っていると思います」と話していました。

国会周辺で反対するグループなどが集会

安倍元総理大臣の「国葬」が行われる時間に合わせ、国会議事堂の周辺では、反対する市民グループなどが集会を行いました。

この集会は市民グループの呼びかけによるもので、国会議事堂の周辺には昼すぎから参加者が集まりました。

そして「国葬は憲法違反」などと書いた紙を掲げ、国葬の時間に合わせて午後2時に集会が始まると「国葬反対、今すぐ中止」などと声をあげていました。

集会では、壇上に野党の代表などの国会議員が立ち、国会の関与がないまま国葬の実施に至ったことを改めて非難しました。

広島 市民団体が集会 反対を訴え

安倍元総理大臣の「国葬」について、広島市で市民団体が集会を開き、反対を訴えました。

集会は、複数の市民団体が呼びかけて広島市中区の商業施設が建ち並ぶエリアで行われ、主催者によりますと、およそ140人が集まりました。

参加者は「国葬に反対します」などと書かれた横断幕やビラを掲げてアピールしていました。

また、広島県被団協=広島県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長が「国会で議論せず閣議決定し、国民に十分な説明もなく一方的に準備が進められてきた」などと批判していました。

集会の呼びかけを行った川后和幸さんは「国葬には法的根拠がなく、こうした状況で開催することには反対です」と話していました。