リニア中央新幹線の行方は? 静岡県知事とJR東海社長が会談

静岡県が着工を認めていないリニア中央新幹線の整備をめぐり、川勝知事とJR東海の金子社長が2年ぶりに直接会談し、金子社長は、川勝知事が提案する部分開業などを否定したうえで、工事着工への理解を求めました。

リニア中央新幹線をめぐっては、静岡県が、環境への悪影響の懸念などから県内での着工を認めない一方で、川勝知事は「建設そのものに反対しているわけではない」として、ことし7月、2027年に東京から名古屋までの開業を目指すルートでの整備に同意し、沿線の都府県でつくる「建設促進期成同盟会」に加盟しました。

しかし、その後、川勝知事が、JR東海や期成同盟会が想定していない山梨と神奈川の間での先行的な部分開業を提案したり、今月、神奈川県で建設中の駅の工事現場を視察した際に、「車両基地の用地取得が遅れていて開業に間に合わない」などと発言したりしたため、関係者から困惑の声が上がりました。

こうした中、9月13日、川勝知事とJR東海の金子社長が、県庁でおよそ2年ぶりに直接会談しました。

会談は、非公開で1時間余り行われ、金子社長は、部分開業の想定はなく、車両基地も半分程度の用地が取得済みで、全体の工程を遅らせることにはならないと伝えたうえで、静岡工区の早期着工に理解を求めたということです。

これに対し、川勝知事は納得しませんでしたが、引き続き対話していく姿勢を示したということです。

会談のあと、金子社長は「知事の発言と私たちの考えが違うことがあった。直接会って考えを伝える意味は大きいと思った」と述べました。

川勝知事は「われわれとしては、早期着工のためやるべき手続きをやっている。そう理解してもらえたと思う」と述べました。