新型コロナの療養期間“症状あり”は7日間に短縮を決定

新型コロナ対策をめぐり、政府は、感染者の自宅などでの療養期間を症状がある人は、今の原則10日間から7日間に、無症状の人は検査で陰性が確認されることを条件に、7日間から5日間に短縮する方針を決めました。

政府は9月8日夜、新型コロナウイルス対策本部を持ち回りの形式で行いました。

そして、感染者の自宅などでの療養期間について、
▽症状がある人は、今の原則10日間から7日間に、
▽無症状の人は、検査で陰性が確認されることを条件に7日間から5日間に、
短縮することを決めました。

また、
▽感染者の全数把握を見直し、報告を簡略化した運用に9月26日から全国一律で移行することや、
▽自宅療養者の行動制限を緩和し、症状が軽くなって24時間たった人や、無症状の人は、感染対策をすれば必要最小限の外出を認めることも決定しました。

これに先立って、山際新型コロナ対策担当大臣は「感染者数は、すべての地域で着実に減少し、医療体制の負荷も改善が見られる。引き続き感染状況への対応を確実に行いながら、新型コロナ対策の新たな段階への移行を進め、社会経済活動との両立を強化していきたい」と述べました。

今までの療養期間と条件と緩和された療養期間と条件

新型コロナに感染した人の自宅などでの療養期間と、その解除の条件です。

【症状がある場合】
原則として、
▽発症した翌日から10日が経過していることと、
▽症状が軽くなってから72時間が経過していることが条件でした。

【無症状の人】
検体を採取した日の翌日から7日が経過することとしていました。

こうした解除の条件の基準がいずれも、7日から緩和されています。

【症状がある場合】
▽発症した翌日から7日が経過していることと、
▽症状が軽くなってから24時間が経過していることが条件になります。

ただし、10日が経過するまでは感染リスクが残るため、高齢者などとの接触や会食を避けるなど、感染予防の徹底を求めています。

【無症状の人】
5日目に検査キットで陰性を確認した場合、6日目から解除できるとしたうえで、7日が経過するまでは感染リスクが残るため、感染予防を徹底してほしいとしています。

一方で、
【入院をしている人や高齢者施設に入所している人】
これまでと同じ基準が適用され、発症の翌日から10日が経過し、かつ、症状が軽くなってから72時間が経過することが解除の条件となります。

全数把握見直し 9月26日から全国一律に

感染症法に基づいて医療機関に求めていた、すべての新型コロナ感染者の報告について、政府は、現場の負担になっているという声を受けて、都道府県の判断で詳しい報告を求める対象を重症化リスクが高い人に限定できるよう、9月から運用を改めました。

詳しい報告を求めるのは、
▽65歳以上の人
▽入院を要する人
▽重症化リスクがあり、コロナの治療薬の投与や酸素投与が必要と医師が判断する人
▽妊婦
という4つの類型を指定しています。

詳しい報告を求めない重症化リスクが低い感染者についても、年代と総数は報告してもらい、都道府県ごとの感染者の動向は把握できる仕組みになっています。

厚生労働省によりますと、9月2日から、宮城、茨城、鳥取、佐賀の4つの県で運用を始めていて、9日からは三重と長崎でも始まるということです。

政府は、医療機関が入力を行う「HER-SYS」と呼ばれるシステムの改修や、軽症者をフォローする体制の整備にめどがついたことから、9月26日から全国一律の措置として運用を始めることになりました。

政府分科会 尾身会長「国は緩和に伴う感染リスクの説明を」

基本的対処方針分科会の尾身茂会長は8日の会合のあと取材に応じ、感染者の療養期間を短縮する政府の方針について、おおむね了承したと述べました。

そのうえで、「社会経済を再開させたいというのは多くの人々の考えで、方針について了承はしたが、療養期間の短縮など一連の緩和には、それに伴うリスクがあるということを、しっかり一般の人たちに分かってもらうため、国が明確なメッセージを出さないといけないという意見が多くの委員からあった。一般の人たちには国が療養期間を短縮したからといって、期間を過ぎればすっかり安全だという風には思わず、感染させるリスクが残っているということを分かってもらって、ウイルスが排除されるまで高齢者との接触に注意するなど、慎重な行動をとってもらう必要がある」と述べました。

さらに、「これから冬の時期にかけてインフルエンザの流行も予想されている。コロナとの同時流行が起き、感染レベルがかなり高いものになるおそれがあるという想定が複数の委員から示された。感染が減少してきたこの時期に、第8波に備えてしっかりリスク評価を行い、分科会を開いて、とるべき対策について議論をする必要がある」と指摘しました。

また尾身会長は、政府が打ち出す一連の緩和策や対策を示す際に、専門家との間のコミュニケーションが希薄になっていたとしたうえで、「政府も政策を早く示す必要があることは理解するが、専門家からはもう少し議論してから政策を決めてほしいという意見があった。第8波に向けて厚生労働省の専門家会合でリスク評価を行い、そのうえで早期に分科会を開いて、とるべき対策を公に議論することを政府には求めたい」と述べました。