東京 あきる野市長選 新人の中嶋氏 失職の前市長破り初当選

市議会が2回にわたり不信任を議決し、前の市長が失職したことに伴う東京・あきる野市の市長選挙は4日投票が行われ、無所属の新人で自民党と公明党が推薦するあきる野市議会の前の議長の中嶋博幸氏が前の市長らを破って初めての当選を果たしました。

あきる野市長選挙の開票結果です。
中嶋博幸、無所属・新、当選、1万8600票
村木英幸、無所属・前、4677票
数野一、共産・新、2450票
木下優、無所属・新、1562票

今回の選挙は、介護老人福祉施設の誘致への対応などをめぐって、市議会が2回にわたり市長の不信任を議決し、地方自治法に基づき村木氏が失職したことに伴って行われました。


中嶋氏は55歳。
平成25年の市議会議員選挙で初当選し、ことし6月までは議長を務めました。
自民党と公明党から推薦を受けて立候補し、村木氏らを破って初めての当選を果たしました。
中嶋氏は「市民は一日も早く政治を安定させてほしいと切実に願っていたと思う。前の市政でとまってしまった政治を必ず前に進めたい」と話していました。

一方、敗れた村木氏は「議会対応をうまくできなかったことが大きな理由で、私の不徳の致すところだ」と振り返っていました。

異例の選挙終えて 中嶋氏「政治空白作り申し訳ない」

一夜明けた5日、中嶋氏は市役所で選挙管理委員会の委員長から当選証書を受け取りました。
このあと中嶋氏は「政治の空白を作ってしまったことは市民に申し訳なく思っている。議会の意見も聞きながら物事を前に進められるように合意形成をしていきたい」と抱負を述べました。

一方、市民からは住民の声を聞きながら政治を行ってほしいという声が聞かれました。
市内に住む50代の女性は「市長と議員が一丸でないことをすごく感じて、いらいらしていました。市の政策は進んでおらず、このままではいけないと思っていました」と話していました。
70代の男性は「新しい市長には、市民の声を代表した議員の意見も幅広く聞いてほしいです」と話していました。
30代の女性は「市長選挙の前には市議会議員選挙もあり、異常だと思いました。市民と市がコミュニケーションをとれることを期待したいです」と話していました。