佐渡島の金山 推薦書不備で登録困難“政府の大失態” “謝罪を”

「佐渡島の金山」の世界文化遺産への来年の登録が推薦書の不備によって、難しくなったことを受け、自民党の合同会議では、政府に対する批判が相次ぎました。

“政府の大失態” “新潟県と佐渡市に謝罪を”

新潟県の「佐渡島の金山」の世界文化遺産への登録を目指して政府は、ユネスコに推薦書を提出しましたが、不備を指摘されたことから、提出し直すことになり、来年の登録は難しくなりました。

自民党は7月29日に合同会議を開き、高市政務調査会長は「議員連盟までつくって登録実現の後押しを続けてきたが、よもや書類の不備が起きるとは想像もしていなかった。原因を究明してもらいたい」と求めました。

会合では「政府の大失態であり、猛省を求めたい」とか「地元自治体との情報共有のなさによって問題が起きた」などと政府に対する批判が相次ぎました。

また、新潟県と佐渡市に謝罪するよう求める意見も出され、文部科学省の義本事務次官は「高官を派遣したい」と述べました。

このあと、合同会議は、地元自治体と協力して、充実した推薦書を速やかに仕上げることなどを求める決議をまとめ、末松文部科学大臣に申し入れました。

自民新潟県連 高鳥会長「約5か月間説明なく 信頼関係損ねた」

自民党の新潟県連会長を務める高鳥修一衆議院議員は、党本部で記者団に対し「ユネスコから2月に指摘を受けて以降、およそ5か月間、政府側から全く説明がなく、情報共有がなかったのは、非常に信頼関係を損ねることだ。原因を究明し、今後の対応を真剣に考えなければいけない」と述べました。

末松文科相「9月末までの暫定版提出へ 全力で取り組む」

末松文部科学大臣は、記者会見で「ユネスコ事務局と議論が継続している途中段階で仮に議論の内容などが明らかになれば、ユネスコ事務局の態度が硬化するなど、議論の動向に影響を与えることが懸念されたため、関係者への報告を差し控えていた。今後は、9月末までの推薦書の暫定版の提出に向け、自治体との協力を念頭に置いて全力で取り組みたい」と述べました。