安倍晋三元首相の葬儀 昭恵夫人「まだ夢を見ているよう」

葬儀に約1000人が参列

自民党の安倍元総理大臣は7月8日、奈良市で参議院選挙の応援演説をしていたさなかに銃で撃たれて亡くなり、12日午後1時から東京 港区の増上寺で葬儀が営まれました。

葬儀は家族や親交が深かった関係者のみで行われ、政界からは岸田総理大臣や自民党の茂木幹事長、安倍氏が会長を務めていた安倍派の幹部らが参列しました。

自民党安倍派の関係者によりますと、葬儀には岸田総理大臣や森元総理大臣ら政界関係者をはじめ、経団連の十倉会長や台湾の頼清徳副総統らおよそ1000人が参列して焼香などを行い、このうちおよそ200人が会場内での告別式に出席したということです。

麻生副総裁「天国で父、祖父と政治談義をするだろう」

告別式では麻生副総裁が「安倍氏とは国益を考える絆で結び付いていた。国際社会での日本の存在を高めた戦後、最も優れた政治家だ。天国で父の晋太郎さんに胸を張って報告し祖父の岸総理とも政治談義をすることだろう。そのうち私もそちらに行くからまた楽しく話しましょう」と弔辞を述べました。

昭恵夫人「まだ夢を見ているようです」

また喪主を務めた昭恵夫人は「まだ夢を見ているようです。主人のおかげでいろいろなことを経験でき感謝しています。政治家としてやり残したことはたくさんあったと思いますが、種をいっぱいまいているのでそれが芽吹くことでしょう」とあいさつしました。

会場内では安倍氏がピアノを弾き昭恵夫人が歌っている様子や、2人で卓球をしている様子、さらに2人の若い頃の写真などの映像が流れていたということです。

永田町を回り別れ

安倍氏のひつぎを乗せた車は自民党本部や総理大臣官邸、それに国会議事堂を回って長年政治活動の舞台となった永田町に別れを告げ、岸田総理大臣をはじめ政府や与野党の幹部らが手を合わせるなどして車列を見送りました。

沿道には大勢の人が詰めかけ、車列に向かって頭を下げたり「ありがとう」などと声をかけたりする人もいました。

自民党本部 国会議員が最後の別れ告げる
自民党本部 献花台に大勢の人

総理大臣官邸 岸田首相などが手を合わせ見送り

国会 与野党の国会議員約100人が見送り

奈良市の現場近くの献花台

長崎市議会 過去2人の市長が銃撃 本会議で黙祷
母校・成蹊学園の献花台

政府 「大勲位菊花章頸飾」授与を決定

政府は11日、安倍氏のこれまでの功績をたたえて最高位の勲章である「大勲位菊花章頸飾」を授与することを決めました。

また東京と地元の山口県では後日、お別れの会が開かれる予定です。

259の国や地域など 1700件以上の弔意

林外務大臣は記者会見で「安倍元総理大臣の逝去に際し、これまでに259の国や地域、機関などから、計1700件以上の多数の弔意メッセージが寄せられている。改めて安倍氏が外交において残された大きな足跡を感じているところだ」と述べました。

そのうえで「安倍氏は『自由で開かれたインド太平洋』の実現に向けた取り組みや平和安全法制の整備など、わが国や世界の平和と安定のために努力し、礎を築かれた。その安倍氏の遺志を継ぎ、しっかり取り組んでいきたい」と述べました。