立民 細田衆院議長の不信任決議案提出へ 自民公明は否決の方針

立憲民主党の馬淵国会対策委員長は、与野党の国会対策委員長と個別に会談し、細田衆議院議長に対する不信任決議案を提出する方針を説明しました。
馬淵氏は、記者団に、早ければ6月8日夕方にも提出する方向で準備を進めていることを明らかにしました。

国会の会期末が来週15日に迫る中、立憲民主党の馬淵国会対策委員長は7日、日本維新の会、国民民主党、共産党の国会対策委員長と個別に会談しました。

馬淵氏は、細田衆議院議長について、衆議院の小選挙区の「10増10減」に繰り返し懸念を示したことや、女性記者などへのセクハラ疑惑の週刊誌報道について国会で説明していないことは、議長としての資質に欠けるなどと指摘しました。

そのうえで、細田議長に対する不信任決議案を近く提出したいという方針を伝え、理解を求めました。

また、自民・公明両党の国会対策委員長にもそれぞれ同様の説明をしたのに対し、両党の国会対策委員長は「提出された場合は、粛々と否決したい」と伝えました。

このあと馬淵氏は、記者団に「週刊誌報道を理由に提出するとは言っておらず、間違った解釈がなされないよう各党に説明した。セクハラの事実認定はできないが、立法府の長が説明責任を果たさないのは問題だ」と述べました。

そのうえで「早ければあすの夕方、あさってであれば朝をめどにして準備を進めていて、整い次第提出する」と述べました。

一方、岸田内閣に対する不信任決議案については「泉代表が判断すれば対応できるような準備は整えている」と述べました。

会談のあと共産党の穀田国会対策委員長は「細田議長が議長にふさわしくないという共通認識はある」と述べました。

一方、日本維新の会の遠藤国会対策委員長は「『10増10減』を否定する発言は許しがたいが、セクハラ報道は今の段階では事実かどうかよくわからない。あすにも党としての対応を決めたい」と述べました。

また、国民民主党の古川国会対策委員長は「党の対応は考えるが、個人的には不信任の理由にはあたらないと思う」と述べました。

自民公明 不信任決議案など 否決の方針

終盤国会の対応をめぐり、自民・公明両党の幹部は、立憲民主党から内閣不信任決議案などが提出された場合には直ちに否決する方針を確認しました。

自民党の茂木幹事長と公明党の石井幹事長それに両党の国会対策委員長は、来週15日に会期末を迎える終盤国会の対応を協議しました。

そして、岸田内閣は丁寧な国会対応を心がけ、各種の世論調査でも支持率は高い水準を維持しており不信任にはあたらないとして、立憲民主党から内閣不信任決議案が提出されれば直ちに否決する方針で一致しました。

また、立憲民主党が近く提出する方針の細田衆議院議長に対する不信任決議案については、提出の理由が不明確だなどとして直ちに否決することを確認しました。

そのうえで、参議院で審議が進められている「こども家庭庁」の設置法案など残る法案の会期内成立に向けて緊密に連携していくことを申し合わせました。

自民 茂木幹事長「全く不信任にはあたらない」

自民党の茂木幹事長は記者会見で「さまざまな理由をあげているようだが、全く不信任にはあたらない。率直に言って驚いているのは、立憲民主党は、きょうになって各党に根回しを始めるという形であり、共産党はどうするかわからないが、ほかの野党が同調するのは難しいのではないか」と述べました。

国民 玉木代表「個人的には少し違和感」

国民民主党の玉木代表は「週刊誌の報道だけで三権の長を不信任にするというのは国民から見てどうなのかという気がする。『10増10減』に関する発言についても、議長自身が『これから発言には気をつける』と言っているので、不信任の理由とすることには個人的には少し違和感を感じる」と述べました。

また、立憲民主党があわせて提出を検討している、岸田内閣に対する不信任決議案についても「選挙のためにやっていると思われると、思いが伝わらず、国会会期末の年中行事の形で出すのでは国民の理解は得られないのではないか。提出するのであれば明確な理由と意義の説明が必要だ」と述べました。