岩手 釜石市 全市民3万人分の個人情報流出 市職員2人が懲戒免職

岩手県釜石市は、市民全員にあたるおよそ3万人分の氏名や住所などの個人情報のデータを自宅のパソコンにメールで送るなどして持ち出したとして、職員2人を懲戒免職にしました。

これは、釜石市の野田武則市長が26日記者会見して明らかにしたものです。

それによりますと、総務企画部の40代の女性の係長と建設部の40代の男性の主査が、氏名や住所、生年月日などが記載された住民基本台帳や業務上作成した表計算ソフトのデータを、少なくとも7年前から21回にわたって、自宅のパソコンのメールアドレスに送ったり、お互いに送り合っていたということです。

データが持ち出されたのは、市の人口全体にあたるおよそ3万人分にも上るということです。

このうち、おととし分のデータ持ち出しについて、女性係長は住民基本台帳システムの閲覧権限がありませんでしたが、権限のあった男性主査に頼み、データをメールで送信させていたということで、市は2人を住民基本台帳法違反の疑いで警察に刑事告訴したということです。

市の調査に対し、2人の職員は「業務の参考になると思って日常的にやっていた。悪気はなかった」などと話しているということで、市は2人を26日付けで懲戒免職にしました。

また、2人が持ち出した中にはおよそ600人分のマイナンバーも含まれていたということで、市は対象者に文書で通知し、マイナンバーを変更の意向を確認することにしています。

今のところ、データ持ち出しによる被害は確認されていないということですが、野田市長は会見で「情報セキュリティの甘さが招いた事態であり、コンプライアンス研修などを通じて再発防止策を講じていきたい」と陳謝しました