ウクライナ支援 3億ドルの追加借款方針 計770億円規模に

岸田総理大臣は、ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナを支援するため、3億ドルの借款を追加で行う方針を明らかにしました。

そして、5月23日に予定されている日米首脳会談で説明し、G7=主要7か国などと連携しながらウクライナへの支援を継続していく姿勢を強調する考えを示しました。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く中、政府はウクライナや周辺国に対し、人道面や財政面での支援を続けていて、すでにウクライナに対し、3億ドルの借款を行うことを表明しています。

こうした中、岸田総理大臣は19日午前、東京都内で記者団に対し「ウクライナでは引き続き大変厳しい状況が続いている。その中で、ロシアの侵略に伴う財政事情の悪化により、短期的な財政資金についてもウクライナ側より支援のニーズが寄せられている。これに応えるためG7および国際社会の一員として、日本としても対応していかなければならない」と述べました。

そのうえで「日本としては、世界銀行と協調する形で、従来の3億ドルを倍増して6億ドルの財政支援を行うことにする」と述べ、さらに3億ドルの借款を追加で行う方針を明らかにしました。

これにより、ウクライナへの借款は6億ドル、日本円でおよそ770億円規模となります。

そして岸田総理大臣は「わが国は祖国のために奮闘するウクライナとともにある。今後もG7、そして国際社会と連携しながらウクライナを強く支援していく」と述べ、来週予定されている日米首脳会談と日米豪印4か国のクアッド首脳会合でこうした方針を説明し、G7などと連携しながらウクライナへの支援を継続していく姿勢を強調する考えを示しました。

ウクライナの原発安全確保 林外相 IAEAに約2億7000万円支援へ

IAEA=国際原子力機関がウクライナの原発の安全確保を支援していることをめぐり、林外務大臣は日本としても取り組みをサポートするため、200万ユーロ、日本円でおよそ2億7000万円の財政支援を行う方針を明らかにしました。

林外務大臣は日本を訪れているIAEAのグロッシ事務局長と会談し、IAEAがロシアに一時占拠されるなどしたウクライナの原発の安全確保を支援していることなどをめぐって意見を交わしました。

このあと、林外務大臣はグロッシ事務局長とともに記者発表を行い「ロシアによるウクライナへの攻撃は原子力施設にも及び、決して許されない暴挙だ。グロッシ事務局長が原子力施設の安全や核セキュリティの確保のために全力を注いでいることに敬意を表する」と述べました。

そのうえで、日本としてもIAEAによる現地への専門家の派遣や機材の供与といった取り組みをサポートするため、200万ユーロ、日本円でおよそ2億7000万円の財政支援を行う方針を明らかにしました。
これに対し、グロッシ事務局長は「原発の事故があってはならず、それを防ぐための重要な仕事を日本に支援してもらい大変ありがたい」と謝意を示しました。