米議会下院「UFOに関する公聴会」日本ではどう議論?

アメリカ議会で5月17日、およそ50年ぶりに未確認飛行物体=UFOに関する公聴会が開かれました。政府によりますと、これまでにアメリカ軍などで多くのUFOの目撃情報が報告されていて、国防総省の高官は実態の解明に取り組んでいると説明しました。

UFO=未確認飛行物体をめぐっては、アメリカ国防総省が特別チームを設けて調査を行うなどしていて、アメリカ議会下院で17日、関係者が出席して公聴会が開かれました。

この中で国防総省の高官は「アメリカ兵たちが未確認の航空現象に遭遇していることを把握しており、飛行の安全性へのリスクとなるため起源の特定に取り組んでいる」と説明しました。

また、公聴会では飛行物体を撮影した映像が公開され、このうち球体が航空機を横切る映像について、アメリカ海軍の幹部は「この物体が何であるか説明できない」と指摘しました。

一方、暗視装置を通して撮影したという光る物体については、無人航空機と結論づけたと説明し「収集した情報から物体が何かを理解するには多大な努力が必要になる」と述べました。

アメリカ政府は去年6月、UFOに関する報告書を公表し、これまでに軍などで140件余りの目撃情報が報告されたとしているものの、そのほとんどの正体については結論が出ていないとしました。

アメリカのメディアは、UFOに関する公聴会が開かれたのはおよそ50年ぶりだと伝えていて、関心が高まっています。

UFO目撃したことないが情報あれば適切に対応

加藤官房長官(当時)は、去年6月28日の記者会見で、日本での調査の必要性について「わが国においては、従来から対領空侵犯措置や警戒監視などの任務中を含め、防衛や警備に影響を及ぼすおそれがある情報を得た場合には、適切に対応することとしており、これは空中における識別不能の物体でも同様だ」と述べていました。

一方で、加藤氏は、「私自身は、残念ながらUFOに遭遇したことも、目撃したこともない」と述べました。

UFO遭遇時の自衛隊機の対応で指示

河野防衛大臣(当時)がおととし9月14日、防衛省・自衛隊に対して示した文書では、空中でUFOなど識別できない物体を確認し、日本の防衛や警備に影響を及ぼすおそれがある場合には、報告に万全を期すよう求めていました。

そのうえで、河野大臣は可能なかぎり写真や動画を撮影し、記録に努めるとともに、必要な情報分析を行うよう指示しました。

防衛省によりますと、こうした指示の背景には、これまでの航空機とは異なる飛び方をするドローンなどの使用が増えていることもあるということです。

自衛隊「宇宙作戦隊」 不審な人工衛星監視も

おととし5月18日には、自衛隊で初めての宇宙領域の専門部隊となる航空自衛隊の「宇宙作戦隊」が発足しました。防衛省は日本の人工衛星を守るため、不審な人工衛星や宇宙ごみを監視する体制の整備を本格化させています。

「宇宙作戦隊」は、東京の航空自衛隊府中基地におよそ20人の隊員で新設されました。

宇宙作戦隊の主な任務は、日本の人工衛星を他国からの攻撃や妨害、それに宇宙ごみから守るための「宇宙状況監視」で、不審な人工衛星の動きや宇宙ごみの軌道の監視に当たります。

具体的には今後、宇宙監視用のレーダーを山口県内に設置するほか、JAXA=宇宙航空研究開発機構やアメリカ軍とも連携して「宇宙状況監視システム」を整備し、令和5年度から運用を始める計画です。

防衛省は、人工衛星は情報収集や通信、それに正確な位置情報の把握など、部隊の指揮に欠かせないとしていて、宇宙の監視体制の整備を本格化させています。