「クアッド」首脳会合前に 迎賓館で要人警備の訓練 警視庁

日本とアメリカにオーストラリア、インドを加えた4か国の枠組み「クアッド」の首脳会合などが来週開かれるのを前に、東京 港区の迎賓館では警視庁が要人などへの襲撃を想定した訓練を行いました。

18日の訓練には、要人の警護にあたる警視庁警備部のSPなどおよそ160人が参加しました。

訓練は、はじめに要人を出迎えようと集まった人たちに男が刃物を振り回しながら襲いかかったという想定で行われ、近くで待機していた警備犬とSPが犯人役の警察官を素早く取り押さえました。

また、要人が到着する際、集まった人たちに紛れ込んでいた男が拳銃を発砲したという想定では、SPが犯人役を取り押さえるとともに、要人を取り囲んで警護しながら車内に誘導し、その場を離れるまでの一連の手順を確認していました。

5月22日からアメリカのバイデン大統領が日本を訪問し、岸田総理大臣と日米首脳会談を行うほか、24日には日本とアメリカにオーストラリア、インドを加えた4か国の枠組み、クアッドの首脳会合も開かれる予定です。

警視庁は会場の周辺に加え、大勢の人が集まる駅などのいわゆる「ソフトターゲット」と呼ばれる場所がテロの標的になるおそれがあるとして、警戒を強化しています。

皇宮警察もテロなど想定した訓練

日本とアメリカにオーストラリア、インドを加えた4か国の枠組み「クアッド」の首脳会合を前に、皇宮警察本部でテロなどを想定した訓練が行われました。

16日、皇居内の皇宮警察本部で行われた訓練には、4月に新たに編成されたテロや災害対策などに特化した「特別警備隊」の隊員など90人余りが参加しました。

天皇や皇族などの護衛を行う側衛官の訓練では、天皇皇后両陛下が車を降りられたあと、沿道に集まった人に紛れた不審者が突然、銃を発砲した想定で、両陛下役の2人を避難させながら不審者を取り押さえました。

訓練はおよそ1時間にわたって行われ、皇宮警察の松本裕之本部長や警察庁の幹部らが訓練の状況を確認していました。

松本本部長は、クアッドの首脳会合に伴いアメリカのバイデン大統領など要人の来日が予定され、皇室関連の行事も想定されるとしたうえで「皇室守護に携わる者としての誇りと高い士気を持って、護衛警備にまい進していただきたい」と訓示しました。