千葉市 30代までの新婚カップル 団地入居で最大30万円補助

住民の高齢化が進む団地に若い世代を呼び込んで活性化しようと、千葉市は30代までの新婚カップルが市内の団地に入居した際、住居費などとして最大30万円を補助する取り組みを、来月から始めることになりました。

千葉市によりますと、建設からおよそ40年たった大規模な住宅団地が市内には24か所ありますが、住民の高齢化率は36%と、市内全体より10ポイント余り高く、中には50%を超えるところもあるということです。

このため市は、24か所の団地に若い世代を呼び込んで活性化しようと、39歳以下の新婚カップルが入居した際、住居費や引っ越し費用などとして最大30万円を補助する取り組みを、来月から始めることになりました。

対象は、2年以上住む意思があり、ことし1月から来年3月までに婚姻届を提出したか、市のパートナーシップ制度の適用を受けた新婚のカップルが対象です。

千葉市建築部の浜田恒明部長は「このまま高齢化が進めば、コミュニティの維持もできなくなると危惧している。今回の施策をはじめ、団地の魅力をPRして若いカップルに住んでもらい、活性化につなげたい」と話していました。

千葉市の取り組み 背景には…

千葉市が新婚カップルの入居を促す背景には、住民の高齢化や空き家の増加などがあります。

4階建てや5階建てのエレベーターがない老朽化した住宅団地では、階段の上り下りに苦労する高齢者が増えていて、買い物やごみ出しなど、日常生活の維持が難しくなることが懸念されるということです。

このうち、昭和43年に建設された県内最大規模の住宅団地、千葉市花見川区の「花見川団地」に住む83歳の男性は、5年前、4階から2階の部屋に引っ越しました。

男性は「階段の上り下りがつらくなったから引っ越した。今は2階に住んでいるが、それでも買い物に行けるのは週2回がやっとです」と話していました。

「花見川団地」の自治会で事務局長を務める阿部京子さんは「とにかく若い人に団地に住んでもらい、できれば自治会などにも参加してもらいたい。市の補助は大歓迎で若い世帯が少しでも増えることを願っています」と話していました。

「花見川団地」では、こうした課題に対応しようと、これまでも、さまざまな取り組みを進めてきました。

高齢の住民の買い物を支援するため、10年前から団地内にある商店街で商品を自宅まで届けるサービスを行っています。

さらに、若い世代に住んでもらおうと、生活雑貨などを扱う企業と協力し、去年から部屋のリノベーションを図っています。リノベーションされた11戸は、若い世代からすぐに借り手がついたということです。

団地ではことし、商店街のリノベーションにも取り組んで、若者の入居をさらに促していきたいとしています。

花見川団地商店街振興組合の大澤幸治副理事長は「若い人がワークショップに参加したり、買い物支援のボランティアに参加してくれることで、商店街から団地全体に元気を広げたい」と話していました。