給付金4630万円誤って振り込んだ阿武町 返還拒否の男性を提訴

山口県阿武町が、新型コロナウイルスの影響で生活に困窮する463世帯分の給付金あわせて4630万円を、誤って1人の男性の口座に振り込み、その後、返還を拒否されている問題で、阿武町はこの男性を相手に、給付金の返還を求める訴えを裁判所に起こしました。

阿武町は先月8日、新型コロナウイルスの影響で生活に困窮する世帯を対象に1世帯当たり10万円を支給する国の臨時特別給付金について、463世帯分の合わせて4630万円を、誤って町内の24歳の男性の口座に振り込み、その後、返還を求めましたが、男性は「お金はすでに動かした。もう戻せない」などとして返還を拒否しています。

12日に開かれた臨時の町議会で花田憲彦町長は、「公金の回収に向け全力で取り組みます」と述べて、誤って振り込んだ給付金の返還を求めて男性を提訴する議案を提出し、全会一致で可決されました。

このあと、阿武町の代理人の弁護士が、山口地方裁判所萩支部に訴えの書類を提出しました。

阿武町によりますと、振り込んだ4630万円は、2週間ほどでほぼ全額が口座から引き出され、現在、男性とは連絡が取れない状態だということです。

花田町長は「訴訟は公金の回収に向けた大きな一歩だが、男性に対しては『今からでもいいので返してほしい』と言いたい」と話していました。