JR四国 四国管内の全路線 来年春にも運賃値上げへ 27年ぶり

JR四国は、来年春にも四国管内すべての路線で、運賃を値上げする方針を明らかにしました。新型コロナの影響を受けた収入の回復ペースが遅いことなどが理由だとしていて、消費税率の引き上げに伴うものを除けば27年ぶりの値上げとなります。

これは、JR四国の西牧世博社長が10日の記者会見で明らかにしました。
この中で西牧社長は、経済活動の正常化で利用客は回復が見込まれるとする一方、「新型コロナの影響が3年目に入り、想定したほどには収入が回復していない」という認識を示しました。
そして、安全な運行への投資を続けながら収支を改善させるには限界があるとしたうえで、来年春にも運賃を値上げする方針を明らかにし、「このままでは鉄道ネットワークの維持は困難になることが想定される。公共交通機関の役割を果たすためには大変心苦しいが、お客様に負担をお願いせざるをえない」と述べました。
値上げの対象となるのは、唯一採算が見込めていた、本州と四国を結ぶ「瀬戸大橋線」を含む四国管内のすべての路線で、具体的な値上げ幅については、今後検討するとしています。
消費税率の引き上げに伴う値上げを除けば、運賃の値上げは平成8年以来27年ぶりとなります。
また、JR四国の昨年度のグループ全体の決算は、営業損益が221億円の赤字となり、過去2番目の赤字幅となりました。