全国初! JR四国と徳島バスが一部運賃一体化

公共交通の利用者が少ない徳島県の一部の区間でJR四国と徳島バスが1日から運賃を一体化して運用を始めました。鉄道とバスが業種を超えて同じ運賃を適用するのは全国でも初めてとなります。

この取り組みはJR四国と徳島バスが利便性を高めて利用者を増やし、地域の公共交通を維持していこうと1日から始めました。

JR牟岐線の阿南駅から浅川駅の間の両社の路線が並行する区間で運賃を一体化します。

JRの定期やきっぷがあれば、途中でバスに乗り継いで目的地まで行っても同じ運賃が適用されることになりバスの初乗り運賃がなくなる分、これまでより割安になります。

例えば、徳島駅から牟岐駅へ行く場合、いまのダイヤでは多くの列車が途中の阿南駅どまりとなっています。
阿南駅でバスに乗り換えると、これまで鉄道とバスであわせて1660円が必要でしたが、1日からはJRの運賃の1470円で利用できます。

鉄道とバスが業種を超えて同じ運賃を適用するのは全国で初めてです。

対象となる区間のJR阿南駅近くのバス乗り場には、1日から始まった運賃の運用を知らせるポスターが貼られていました。

徳島バス企画管理部の東孝行副部長は「これ以上、減便して利便性が低くなることを防ぎ、公共交通全体の利用者が増えていくことを期待している」と話していました。

鉄道で阿南駅まで行き、JRのきっぷで徳島バスに乗り換えた75歳の男性は「取り組みは知らなかったが、駅員さんが教えてくれて、お得になったと聞いてうれしかったです。きっぷでバスに乗れるようになって助かります」と話していました。

地方の鉄道の経営に詳しい関西大学経済学部の宇都宮浄人教授は、取り組みを評価する一方、全国的に広がることは、簡単ではないと指摘し、「民間事業者が決して儲かる地域ではないので地域がいちばん豊かになれるようなビジョンを自治体側が積極的に提案し、事業者は請け負う形になっていく必要があると思う。自治体や国は補助も含めて公的に支えてく仕組みが必要になってくると思う」と話していました。