ウクライナ侵攻で若者たちは
抗議署名提出や核廃絶を討論

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く中、21日、平和について学んでいる高校生のグループが、戦争の中止を求める抗議署名をロシア大使館に提出しました。

21日午前、東京 港区のロシア大使館の近くに集まったのは、フィールドワークや勉強会を通して戦争や平和について学ぶ「高校生平和ゼミナール」のメンバーなど16人です。

高校生たちは、大使館に向かって「戦争反対」といったメッセージを書いた紙を掲げて「NO WAR」などと抗議の声を上げました。

そしてプーチン大統領宛てに「ウクライナへの軍事侵攻と核兵器使用の威嚇などに抗議します。ただちに戦争をやめてください」と、英語と日本語で書いた抗議署名を郵便受けに投函しました。

署名はSNSなどを通じて呼びかけたもので、およそ1週間で5000筆以上が集まったということです。

署名活動を行った都内の高校3年生、田原ちひろさん(18)は「プーチン大統領は、若者の世論を一番恐れていると思うので、戦争被爆国の高校生として、戦争をやめてほしいと伝えたい。ロシア国内でも命がけで反戦を訴えている人がいるので、連帯するという意味でも声を届けられたと思います」と話していました。

核廃絶に向け若者たちが核兵器禁止条約の「模擬締約国会議」

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続き核兵器使用への警戒感が高まる中、ことし開かれる核兵器禁止条約の締約国会議に参加する国々の代表に若者たちが成り代わって議論する「模擬締約国会議」が20日開かれ、核戦争の回避や核廃絶に向けて意見を交わしました。

「模擬締約国会議」は、核廃絶に取り組む大学生らのグループがオンラインで開き、32人の若者たちが核兵器禁止条約を批准した国々やオブザーバーとして参加するドイツなどの主張を調べるなど、1か月間準備して議論に臨みました。

この中で、アメリカの核の傘の下にあり、条約に加わっていないドイツなどの役の学生からは「核保有国が条約に参加するのは当面不可能だが、議論する場を作るべきだ」とする意見が出され、条約を批准しているニュージーランドの役の学生は「核保有国が参加できないという意見には賛同できない」と反論していました。

会議ではウクライナ情勢も踏まえて議論が行われ、最後に「核戦争を回避すべきことは明白で、核廃絶を希求し、あらゆる行動を実施する」などとして、核保有国も加わり具体的な期限を定めて核廃絶の道筋を示すなどとする合意文書を取りまとめました。

議長国のオーストリア役を務めた大学1年生の高垣慶太さんは「相手の主張を理解し、共通点を探ることの重要性を実感しました。ロシアによる核の脅威に対しても、相手の立場で考えることが解決への道筋になるのではないかと思います」と話していました。