まん延防止すべて解除へ
防止と社会経済活動の両立焦点

3月21日が期限となる18都道府県のまん延防止等重点措置について、政府はすべての地域で解除する方針を固め、17日、専門家に諮ったうえで正式に決定することにしています。今後は感染の再拡大防止と社会経済活動の回復を両立させられるかが焦点となります。

東京や大阪、愛知など18の都道府県に適用されている新型コロナ対策のまん延防止等重点措置について、政府は自治体の意向も踏まえ、今月21日の期限をもってすべての地域で解除する方針を固めました。

17日、感染症などの専門家でつくる「基本的対処方針分科会」に諮ったうえで、国会での報告と質疑を経て、持ち回りの対策本部で正式に決定することにしています。

重点措置がどの地域にも出されていない状況となるのは、ことし1月8日以来、およそ2か月半ぶりとなります。

岸田総理大臣は16日夜、記者会見で「しばらくは平時への移行期間として最大限の警戒をしつつ、安全、安心を確保しながら可能なかぎり日常の生活を取り戻す期間とする」と述べました。

政府は感染の再拡大を防ぐため、引き続き医療提供体制の維持・強化に取り組むほか、検査体制を充実させ、治療薬の確保を進めることにしています。

一方で、濃厚接触者の特定は医療機関や家庭内などに限定し、一般の事業所では特定しない方針を打ち出したほか、ワクチンの接種履歴や検査キットなどを活用して、旅行や会合などを安全に行えるようにする方針で、今後は感染の再拡大防止と社会経済活動の回復を両立させられるかが焦点となります。

高齢者施設の保健・医療提供体制維持の財政支援策も延長へ

まん延防止等重点措置が解除されたあとも、高齢者施設での施設内療養を含めた保健・医療提供体制を維持・強化するため、厚生労働省は、財政支援策を延長する方針です。

具体的には、施設に看護師を派遣した場合、医療機関に支払われる補助上限を1時間当たり8280円に引き上げる措置は7月末まで、施設内で療養した場合に施設に支払われる補助上限を1人当たり30万円に引き上げる措置は来月末まで延長されます。

このほか、病床のひっ迫を受けて、病状が落ち着いた患者や感染が疑われる救急患者を受け入れるための病床を新たに確保した医療機関に対して支払われる1床当たり450万円の支援金も延長されます。