「まん延防止等重点措置」
延長と解除で各地は

31の都道府県に適用されていたまん延防止等重点措置。
東京、大阪、愛知など18の都道府県では、今月21日まで延長された一方、13の県は6日の期限をもって解除されました。

【解除】三重 伊勢神宮周辺

三重県の「まん延防止等重点措置」は6日の期限で解除され、伊勢市にある伊勢神宮の内宮や近くの土産店や飲食店が並ぶ通りでは7日朝、観光バスやマイカーで訪れた参拝者の姿が見られました。

伊勢神宮の近くに去年12月にオープンした飲食店の料理長は「解除でにぎわいが戻ってほしいです。学生の旅行も増えているので期待しています」と話していました。

また、内宮近くの通りにある食堂を併設した土産店では、通常より営業時間を1時間ほど短縮し、食堂の席数を半分に減らすなどの対策を続けています。

この店の従業員の60代の男性は「解除は前向きに捉えながら感染対策は気を緩めずしっかりやっていきたい」と話していました。

一方、菓子店の従業員は「これから春の行楽シーズンですが、以前ほどの人出には戻らないと思います。もう少し耐えて頑張るしかないです」と話していました。

【解除】岡山 後楽園 約1か月ぶり再開

岡山県へのまん延防止等重点措置が6日で解除されたことを受け、岡山市の後楽園はおよそ1か月ぶりに再開されました。

日本三名園の1つで、岡山市北区にある後楽園は、ことし1月27日から1か月余りにわたって休園していましたが、まん延防止等重点措置の解除を受け7日朝、再開しました。

午前8時に正門が開くと、再開を待ち望んでいた人たちが次々と訪れ、見頃を迎えている梅の花の写真を撮ったり、庭園や池を眺めたりして、久しぶりの散策を楽しんでいました。

近くに住む76歳の男性は「休園前は週に3、4回は来ていたので再開が待ち遠しかった。毎年見ている梅を楽しみたいです」と話していました。

岡山県後楽園事務所の石井謙次所長は「暖かくなるこの時期にやっとお客様を迎えられてうれしいです。多くの人に喜んでもらえるよう心機一転頑張っていきたい」と話していました。

【解除】広島 原爆資料館 約2か月ぶり再開

広島県に適用されていたまん延防止等重点措置が6日で解除されたことを受けて、広島市の原爆資料館が7日、およそ2か月ぶりに再開しました。

訪れた人たちからはロシアの軍事侵攻を懸念する声が聞かれました。

広島市の原爆資料館は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、ことし1月13日から休館していましたが、およそ2か月ぶりに7日再開しました。

資料館では、休館期間中に常設展示を一部入れ替え、被爆した生徒たちの服や靴、それに被爆者が目にした惨状などをみずから描いた「原爆の絵」などが展示されています。

7日は、午前中から団体客などが次々に訪れ、被爆者の遺品などの展示に見入っていました。

兵庫から訪れた20代の女性は「展示を見て平和は当たり前ではないということを実感しました。ウクライナでの戦争が一日も早く収束してほしいと思います」と話していました。

原爆資料館の滝川卓男館長は「休館中にロシアのプーチン大統領が核の使用をほのめかす発言をしたことを憂慮していました。ほかの誰にも同じ思いをさせたくないという被爆地広島の平和への思いをしっかり届けたいと思います」と話していました。

【解除】広島 庄原のスキー場も営業再開

広島県庄原市にある「ひろしま県民の森」のスキー場は「まん延防止等重点措置」が広島県に適用されたため1月17日から休業していましたが、措置の解除をうけて7日から営業を再開しました。

スキー場には1メートル20センチほどの積雪があり、朝から訪れた人たちがスキーやスノーボードを楽しんでいました。

7日は、スキー場のほかホテルやレストランの営業も再開し、宿泊の予約も徐々に増えているということです。

福山市から訪れた男性は「最高です。どこにも行かず家で過ごしていたので再開してくれてうれしいです」と話していました。

このスキー場の営業は今月21日までの予定で、「ひろしま県民の森」の伊折直人さんは「ひたすら耐える日々でした。これだけ雪がいい状態なのは近年にないので楽しんでもらいたいです。コロナの対策を万全にしてお客様を迎えたいと思っています」と話していました。

【解除】鹿児島のホテル 久しぶりに修学旅行受け入れ

鹿児島市のホテルには、まん延防止等重点措置の解除を受けて久しぶりに修学旅行の生徒が訪れ、ホテル側は感染対策に万全を期して受け入れに当たっていました。

九州沖縄の6つの県に出されていたまん延防止等重点措置は、病床の使用率が高い熊本県が今月21日まで再延長され、福岡、佐賀、長崎、宮崎、鹿児島の5県で解除されました。

これを受けて鹿児島市内のホテルには7日、修学旅行で県内をめぐる福岡県大牟田市の甘木中学の2年生86人が到着しました。

当初の修学旅行の予定が重点措置の期間中と重なったため、時期を先送りして今回実施したということで、生徒たちは食事の際に間隔をあけて黙って食べるなど感染対策を徹底していました。

このホテルでは重点措置の期間中、37校、およそ6000人分の修学旅行がキャンセルになったということで、解除にかかわらず感染対策には万全を期して受け入れに当たるということです。

ホテル「中原別荘」の石丸陽一支配人は「生徒の笑顔が見られてよかったです。何日も前から健康観察をして来ているということなので、私たちも感染防止に万全の体制をとって受け入れたい」と話していました。

【再延長】北海道 釧路の飲食店は

北海道のまん延防止等重点措置は、7日から再延長の期間に入りました。
釧路市内の飲食店からは延長を理解しつつも、経営への影響を懸念する声が聞かれました。

ことし1月からのまん延防止等重点措置に伴い、釧路市内では多くの飲食店が要請に応じて営業時間を短縮していて、休業する店も出ています。

釧路市の北大通にある飲食店では道の「第三者認証」を取得していますが、酒は提供せずに午後8時までに短縮して営業を行っています。

7日はまん延防止等重点措置が再延長されたのを受けて、こうした対応を今月21日まで続けることを知らせるポスターを店先に貼っていました。

店では酒を提供していないことなどが影響して、売り上げは感染拡大前に比べておよそ4割落ち込んでいるということです。

歓送迎会のシーズンを迎え、本来稼ぎ時となる時期だけに、経営への影響を懸念しています。

「ちく半」の一戸るみ子さんは「感染者の数が減っていないので再延長は仕方ないと思いますが、6日で終わると思っていたので残念です」と話していました。

【再延長】北海道 帯広 飲食店開店準備中の男性は

また、帯広市内で新たに飲食店の開店準備を進めている男性からは、開店の時期が見通せないことへの戸惑いの声が聞かれました。

帯広市の宇佐美秀明さん(54)は2年前、関心のあった料理の道を志して務めていた印刷会社を退職し、調理師の専門学校に進みました。

調理師学校を去年春に卒業した宇佐美さんは、帯広市内の中心部にある屋台村「北の屋台」で、先月中旬に自分の店を開店する予定でした。

しかし、まん延防止等重点措置が延長された影響で、開店の時期が見通せない状況が続いています。

「北の屋台」を運営する組合では、重点措置が適用されたことし1月下旬からすべての店舗で休業を続けていて、今回の再延長を受けて、今月21日まで休業を延長する予定です。

宇佐美さんは「早くお客さんと話しながらお店をやりたいという思いもあるので、また開店がのびてしまって少し残念だ。ただ、お客さんには安心して来店してもらい、楽しんでもらいたいので、しかたないと感じている」と話していました。

【再延長】静岡市民や洋食店は

ことし1月27日から静岡県に適用されているまん延防止等重点措置は、今月21日まで期間が再延長されました。

静岡市の20代の学生は「新規の感染者数も下がりきっていないので、再延長によってみんなで意識を高めていければと思います」と話していました。

一方、60代の男性は、「飲食店でのクラスターはほとんど起きていないと聞いているので、飲食店への時短要請はあまりよいとは思いません。飲食店のためにも営業時間を少し延ばしてほしい」と話していました。

静岡県は、引き続き県内全域の飲食店に営業時間の短縮などを要請しています。

静岡市駿河区にある洋食店では、要請に従って、営業時間を2時間短縮して午後8時までとし、酒類の提供もとりやめてきました。

例年であれば歓送迎会などでかき入れ時ですが、団体客の予約は大幅に減り、売り上げは感染拡大前の3割ほどに落ち込んだ状態が続いているといいます。

「レストランAoki」の店主の青木道夫さんは「まさか再延長になるとは思いませんでした。前回の延長の際も、解除を見越して、およそ100人分の食材の仕入れや仕込みをしていましたが、延長で食材がむだになってしまいました。今回も準備をしていたので残念です」と話していました。