ロシア 核兵器使用の懸念
自制求める国際社会後押し

ウクライナ情勢をめぐり、ロシアのプーチン大統領が核戦力を念頭に抑止力を特別警戒態勢に引き上げるよう命じたことについて、政府は唯一の戦争被爆国の立場からも、核兵器が使用される事態が起きてはならないと強調していて、自制を求める国際社会の働きかけを後押ししていく考えです。

ウクライナ情勢をめぐっては、ロシアのプーチン大統領が先月27日に、核戦力を念頭に抑止力を特別警戒態勢に引き上げるよう命じ、今回の軍事侵攻に際して、核兵器が使用されるのではないかと懸念する声も出ています。

これについて、岸田総理大臣は「とりわけ被爆地・広島出身の総理大臣として、核による威嚇も使用もあってはならない」と述べました。

政府は、唯一の戦争被爆国の立場からも、核兵器が使用される事態が起きてはならないと強調していて、ロシアに自制を求める国際社会の働きかけを後押ししていく考えです。

一方、今回のロシア側の動きを受けて自民党の安倍元総理大臣は、アメリカの核兵器を同盟国で共有して運用する政策「核共有」をタブー視せずに議論すべきだという考えを示しました。

これに対して、政府は「持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則を堅持する方針は変わらず「核共有」は認められないとしています。

ただ、与党内からは国民が危機的な状況にある時に限った例外措置として議論は必要だという声も出ていて、今後の安全保障政策の見直しでその是非が議論になることも予想されます。