北海道神恵内村長選挙
「核のごみ」調査 現職が6選

いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐり、文献調査が行われている北海道の神恵内村の村長選挙が27日に行われ、調査の継続を主張する現職の高橋昌幸氏が6回目の当選を果たしました。

神恵内村長選挙の開票結果です。
高橋昌幸 無所属・現 当選 559票。
瀬尾英幸 無所属・新 48票。
村の選挙管理委員会によりますと、投票率は89.24%でした。
高橋氏は神恵内村出身の71歳。
村の産業課長や住民課長を経て、平成14年の村長選挙に立候補して初当選し、これまでに5期務めてきました。
神恵内村では、おととしからいわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐり、第1段階となる文献調査が行われ、次の第2段階となる概要調査に進むかどうか、注目されています。
昭和61年以来36年ぶりの選挙戦となった今回の村長選挙。
文献調査の受け入れを決めた高橋氏は、調査を継続したうえで、概要調査に進むかどうかを決める際には村民の意見を聞くと主張する一方、瀬尾氏は概要調査には反対を訴えていて、今回の村長選挙は調査の是非が最大の焦点になっていました。

高橋氏「文献調査の結果が出てから」

当選した高橋氏は、記者団に対し、選挙結果について「今まで20年間、村民の多くの方々の指導や協力でできたことも多い。これをさらに進化させていくと訴えたので、それに対して期待してもらっているのかと思う」と述べました。
「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐる文献調査や次の概要調査については「文献調査の結果が出てから、村民の考えをどう集約すれば良いのかも含めて議会のみなさんと決定したい。住民投票を行うことも1つの方策と申し上げている。大事なことは住民の意見をきちんと集約できる方法をとるということだ」と述べました。

瀬尾氏「異議申し立ての目的は果たせた」

落選した瀬尾氏は「私の力不足だった。“よそ者”、“高齢”、“無名”という悪条件が重なるなか、支持してくれた48人には感謝したい。想定より得票は少なかったが、『核のごみ』に対する国の施策や村の姿勢に異議を申し立てるという目的は果たすことができた」と述べました。