アサヒビール 2工場閉鎖へ
人口減少で市場拡大見込めず

ビール大手のアサヒグループホールディングスは、新型コロナの影響やいわゆる「ビール離れ」で、今後、国内市場の拡大が見込めないなどとして、神奈川県と愛媛県にある2つのビール工場を閉鎖することを決めました。

発表によりますと、アサヒグループホールディングスは神奈川県南足柄市にある「アサヒビール神奈川工場」と愛媛県西条市にある「アサヒビール四国工場」の2か所を来年1月末に閉鎖します。

神奈川工場は主に首都圏向けに、四国工場は四国や広島県向けにビール系飲料を生産し、年間の生産量は大びん20本を1箱として合わせて1500万箱余りに上ります。

しかし会社では、新型コロナの影響で業務用のビールの消費が落ち込んでいることに加え、いわゆる「ビール離れ」や、人口の減少が続く中で今後国内市場の拡大が見込めないことから閉鎖を決めたとしています。

2つの工場で働く130人余りの社員については配置転換や再就職に向けた支援を行うとしています。

このほか福岡市博多区にある工場も近くに移転し、ビール系飲料のほか清涼飲料なども生産する計画で、拠点の再編を通じ国内の工場の稼働率を高めたいねらいです。

アサヒグループホールディングスの勝木敦志社長は15日の決算会見で「コロナ禍で工場の稼働率は落ち込んでいるので、再編を通じ生産の効率化を図りたい」と述べました。