60か所の復興事業工事
来年度に持ち越し 宮城県

宮城県が今年度中の完成を目指していた東日本大震災の復旧・復興事業のうち、防潮堤や堤防など60か所の工事が遅れ、来年度に持ち越されることになりました。

県は当初、東日本大震災を受けた防潮堤などの復旧・復興事業を震災10年となる昨年度に完成させる計画でしたが、事業が遅れたため1年延長し、今年度中の完成を目指していました。

しかし県によりますと、今年度末の完成率は堤防や橋、道路で98.9%、漁港やその周辺で94.9%にとどまる見込みで、あわせて60か所の工事が来年度に持ち越されることになったということです。

今年度中に完成しないのは、塩釜市などを流れる旧砂押川の堤防整備事業、気仙沼漁港の防潮堤や護岸の整備事業などです。

また、農地や関連施設の整備も16地区で完成せず、来年度への持ち越しが決まりました。

遅れの理由について県は、新型コロナの影響で作業員や資材が不足したことに加え、去年2月の福島県沖を震源とする地震で、工事中に被害を受けたことなどを挙げています。

予算の繰り越しは昨年度に続いて2回目となり、法律上、来年度内に使わなければ予算がいったん打ち切られることになります。

県は「堤防など住民の安全に関わる事業もあるので、少しでも前倒しできるよう努力する」と話しています。