空き家を強制的に取り壊しへ
倒壊のおそれ 佐賀県白石町

深刻化する空き家問題に、行政が最後の手段をとりました。
佐賀県白石町は13日、隣の住宅に崩れかかるおそれなどがある空き家を、行政代執行で強制的に取り壊す作業を始めました。

取り壊しが始まったのは、白石町戸ヶ里の木造2階建ての空き家と、同じ敷地の中にある倒壊した家屋です。

町によりますと、鮮魚店だったこの空き家は少なくとも6年ほど前から空き家となって傷みが進み、隣接する住宅や道路に崩れかかるおそれなどがありました。

県内在住の所有者に対し、適切に管理するよう法律に基づいた命令や戒告などの手続きを行ってきましたが、応じないためやむを得ず、行政代執行で強制的に取り壊すことになったということです。

白石町で行政代執行が行われるのは、初めてです。

午前10時、町の担当者が取り壊しを宣言したあと、警察と消防が屋内に入って現場の安全を確認しました。

続いて、電話や電気の工事業者が撤去作業を始めていました。

解体は3月中旬までに完了する見通しで、白石町総合戦略課の山口裕一課長は「税金を使っての解体は苦渋の措置です。空き家も個人の資産で、所有者はしっかりと管理してほしい」と話していました。

空き家は人口の減少や高齢化などで県内でも増えていて、佐賀県によりますと、平成30年時点の空き家の数は5万棟を超え、空き家率は全国平均より高い14.3%と、地域の深刻な問題の1つとなっています。