東京五輪・パラ 報告書原案
弁当廃棄の食品ロス問題指摘

東京オリンピック・パラリンピックのテーマの1つとなった「持続可能な社会の実現」について、大会組織委員会がまとめた報告書の原案が関係者への取材でわかりました。この中では仮設施設の再利用などで成果があったとした一方で、食品ロスや医療用品の廃棄といった課題についても指摘しています。

組織委員会は東京大会の成果や課題をまとめる総括を進めていて、この中で、大会のテーマの1つだった「持続可能な社会の実現」に関してまとめた報告書の原案が関係者への取材でわかりました。

この中では、移設が難しく取り壊されたスポーツクライミング用の壁を住宅用の資材としてリサイクルしたほか、都内の競技会場や選手村で出たプラスチックゴミを特殊な分別機がある工場に持ち込むことで、すべてリサイクルすることができたといった成果があったとしています。
一方で、スタッフやボランティアの弁当が廃棄された「食品ロス」の問題や、新型コロナの感染対策として用意していた、マスクや医療用ガウンなどが撤収作業の際に処分されたといった課題についても指摘しています。

組織委員会はオリンピックの開会式で余ったおよそ4000食分の弁当を含め、7月3日からの1か月でおよそ13万食の弁当などを廃棄したほか、およそ500万円分のマスクや医療用のガウンなども処分していたことを明らかにしています。

これについて報告書では、観客数の決定など急な状況の変化が背景にあったものの、食品ロスを生まない仕組み作りや、物品の保管場所を確保しておくべきだったとしています。