決裁文書の改ざん訴訟終結
「ひきょうなやり方」抗議文

財務省の決裁文書の改ざんに関与させられ自殺した近畿財務局の男性職員の妻が起こしていた裁判で、被告の国は15日、突然、賠償請求を受け入れ裁判を終わらせる手続きを取りました。こうした国の対応について、裁判を通じて夫の死の真実を明らかにするよう求めていた妻は「ひきょうなやり方だ」として17日、財務省に抗議文を提出することを決めました。

森友学園に関する決裁文書の改ざんに関与させられ自殺した近畿財務局の職員、赤木俊夫さん(当時54)の妻の雅子さんは「夫の死の真実が知りたい」として国に裁判を起こし、改ざんに関わった当事者に法廷で証言するよう訴えてきました。

雅子さんは「国が証人尋問を回避するために請求を受け入れることを避けたい」として、裁判上の請求はあえて1億円を超える金額にしていましたが、国側は15日、これまでの争う姿勢を突然一転させて、請求を全面的に受け入れる「認諾」という手続きを取りました。

裁判は、被告側がこの手続きを取った時点で、原告側の意向にかかわらず終結する仕組みになっているため、雅子さんが求めてきた証人尋問などは実現しないまま裁判は終わりました。

今回の国の対応を受けて雅子さんは16日、代理人の弁護士らと検討した結果「ひきょうなやり方で裁判を終わらせた」として17日、財務省に抗議文を出すことを決めたということです。

雅子さんは「夫がどうして亡くなったのかを知りたいのに、そこにふたをして逃げる国の姿勢は許せない。なぜこういう形で裁判を終わらせたのか、説明してほしい」と話していました。