立憲民主党の西村幹事長は記者会見で「政府が、われわれの求めに応じて、もっと早く臨時国会を開き、岸田総理大臣がもっと早く方針転換できていれば、各自治体もそれに対応した予算編成ができたはずで、本当に残念でならない」と述べました。
そのうえで、政府が「現金とクーポンによる給付を原則とする」としていることについて「クーポンを選択する自治体は、かなり少なくなると見られ、岸田政権は、最終的に『原則クーポン』という方針そのものも転換せざるを得なくなるのではないか」と述べました。
18歳以下への10万円相当の給付をめぐり、政府は、現金とクーポンによる給付を原則とする一方、5万円ずつ2回に分けた現金給付と、10万円を現金で一括給付することも選択肢とするなどとした考え方をまとめました。
18歳以下への10万円相当の給付をめぐり、政府は、制度のガイドラインの策定に先立って、年内の全額現金での一括給付も容認するなどとした考え方をまとめました。
それによりますと、10万円相当の給付については、現金とクーポンによる給付を原則としながらも、地方自治体の実情に応じて現金での対応も可能とする運用を行うとしています。
そのうえで、給付方法として、▼先行分の現金5万円と5万円相当のクーポンによる給付、▼先行分の現金5万円と追加分としての現金5万円の給付、▼年内の現金10万円一括給付の3つを選択肢として挙げています。そして、地域ごとに事情が異なることを踏まえ、政府として、現金給付に一律の条件を設けて審査を行うことは考えていないとしているほか、先行分の現金は可能なかぎり年内に給付するよう求めています。
一方、現金給付に加え、クーポンでの給付を選択した場合にかかる事務費用も国の補助の対象とすると明記しています。
政府は、こうした考え方を、一両日中に自治体に示すことにしています。
衆議院予算委員会では今年度の補正予算案の2日目の質疑が行われ、岸田総理大臣は18歳以下への10万円相当の給付をめぐり年内に全額現金で一括給付することを容認するものの、クーポンの政策的な意義はあるとして活用する自治体を支援していく考えを示しました。
18歳以下への10万円相当の給付について全国の自治体から全額現金で行うことを認めるべきだという声が相次ぐ中、岸田総理大臣は13日の衆議院予算委員会で、自治体の判断で年内に全額現金で一括給付することも容認する考えを示しました。
また、一部の自治体で、独自に予算を計上して所得制限で対象外となる世帯にも支給する動きが出ていることについて「独自で財源を確保して給付をすることをとめるものではないし、そういう自治体が出てきたとしてもいいのではないか」と述べ、政府として制約することはないという認識を示しました。
18歳以下への10万円相当の給付をめぐり、松野官房長官は、制度のガイドラインの策定に先立ち、今年度の補正予算案の成立前に年内の全額現金での一括給付も容認するなどとした政府の考え方を自治体に説明したいという意向を示しました。
18歳以下への10万円相当の給付について政府は、自治体の判断で年内に全額現金で一括給付することも容認することになり、今年度の補正予算案が成立したあと、速やかに制度のガイドラインとなる「実施要領」を示すことにしています。
これに関連し、松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「今回の10万円の現金一括給付を選択肢に加える方針については地方自治体で円滑な準備が行われるよう、補正予算案の成立を待たずに政府の考え方を地方自治体にお示ししたい」と述べ、実施要領の策定に先立ち、補正予算案が成立する前に、政府の考え方を自治体に説明したいという意向を示しました。
また、午後の記者会見で「現時点で、どの程度の自治体がクーポンによる給付を行い、どの程度の自治体が現金による給付を行うのか定かではなく、クーポンによる給付については、さまざまな形式が考えられることから、事務費の減少について見積もることは困難だと考えている」と述べました。
そのうえで「いずれにせよ事務費については、地方公共団体で万一にも予算不足が生じることがないよう、補正予算案で十分な額を計上しており、補正予算案を修正する必要はないと考えている」と述べました。
自民党の高市政務調査会長は、国会内で記者団に対し「岸田総理大臣がさまざまな意見を聞いたうえで判断したことだ。多少、時間はかかったのかなと思っている」と述べました。
立憲民主党の西村幹事長は記者会見で「政府が、われわれの求めに応じて、もっと早く臨時国会を開き、岸田総理大臣がもっと早く方針転換できていれば、各自治体もそれに対応した予算編成ができたはずで、本当に残念でならない」と述べました。
そのうえで、政府が「現金とクーポンによる給付を原則とする」としていることについて「クーポンを選択する自治体は、かなり少なくなると見られ、岸田政権は、最終的に『原則クーポン』という方針そのものも転換せざるを得なくなるのではないか」と述べました。
公明党の山口代表は、記者会見で「もともと現金給付も否定されない仕組みだが、自治体に対して、クーポンが原則だと強調する説明がなされたところもあった。わが党としては、当初から全額現金での一括給付もありうべしと訴えてきたので、自治体の実情によって選べるようになったことは妥当な判断だ。速やかに給付を実行できるよう、政府には十分に配慮してもらいたい」と述べました。
18歳以下への10万円相当の給付について、大阪市の松井市長は児童手当の対象となる中学生以下に年内に全額を現金で一括して給付する方針を明らかにしました。
現金とクーポンによる18歳以下への10万円相当の給付について、松井市長は年内に現金で全額給付する意向を示していましたが、政府が方針を示すスケジュールでは手続きが間に合わないとして、いったんは断念していました。
しかし岸田総理大臣が13日、自治体の判断で、全額現金で一括給付することも容認する考えを示したことを受け、松井市長は14日、記者団に対し、児童手当の支給対象になっている中学生以下の子どもおよそ26万人には、今月27日に10万円を現金で一括して給付する方針を明らかにしました。
また、高校生などについては申請が必要で、来月中旬に案内を送付するとしています。
松井市長は「方針転換がギリギリ間に合ったということだ。給付される子育て世帯にとっては、よりベターな形になり、岸田総理大臣のいい意味での聞く力が作用したと思う」と述べました。
18歳以下への10万円相当の給付をめぐり、愛知県大府市では13日、対象世帯の一部に対して5万円の現金給付を実施しました。
市によりますと、愛知県内の自治体では最も早い支給開始だということです。
給付を受けたのは、中学生以下の子どもだけがいる市内の6218世帯で、児童手当の支給などで市が把握している口座に振り込んだということです。
大府市では、残りの対象世帯についても5万円の現金給付を行う予定で、すでに申請の受け付けを始めていて、14日も担当課では職員らが申請書の確認作業を進めていました。
大府市では、今回の給付に関するプロジェクトチームを立ち上げて準備を進めてきたということで、市によりますと、愛知県内の自治体では最も早い支給開始だということです。
「大府市給付金プロジェクトチーム」の鈴木康幸さんは「去年の給付の際のノウハウを生かして先手を打って準備を進めてきました。国には自治体との情報共有を進めてほしい」と話していました。
18歳以下への10万円相当の給付について富士宮市は、対象の2万人余りのうち児童手当のシステムが使える中学生以下のおよそ1万6000人については今月23日から、まず、現金5万円の支給を始めたうえで、全額現金で給付する方針を決めています。
一方、岸田総理大臣が全額現金での年内の一括給付も容認する考えを示したのに対し、須藤市長は14日の記者会見で「子育て世帯への速やかな給付を目指し、準備を進めてきた。年内の10万円の一括支給は望ましいが、事務手続き上、引き返せない状況だ」と述べ、年内の一括給付は困難だとの見解を示しました。
国の方針が変わったことについて「給付に関する、たび重なる変更に地方自治体は振り回されており残念に思う。扱っている地方自治体は簡単にはいかないことを国も理解していただきたい」と述べました。
静岡県内では、菊川市が富士宮市と同様に「すでに通知を発送している」として1回目は、今月から2回目は、来月中に現金で給付したいとしている一方、浜松市は、児童手当のシステムを使って給付できる世帯については、年内に10万円を全額現金で一括給付することを決めています。
全額現金で一括給付する方針を決めた神戸市は、すでに給付の案内文書の印刷を終えていたため対応に追われています。
神戸市は当初、18歳以下への10万円相当の給付のうち、現金5万円をおよそ10万世帯の18万人に今月27日に給付する予定でした。
このため、給付の案内文書、およそ10万枚の印刷もすでに終え、来週20日にも発送する予定でした。
こうした中、岸田総理大臣が自治体の判断で、年内に全額現金で一括給付することも容認する考えを示したことを受け、神戸市の久元市長は14日朝、全額現金で一括給付する考えを明らかにしました。
市は急きょ、委託する印刷業者に対し通知文の余白部分に「先行給付金5万円と合わせて、1人当たり合計10万円を一括で振り込みます」などの文言を加えて印刷し直すよう要請しました。
市家庭支援課の手当担当の松井和樹さんは「印刷する量も多くバタバタだが、年内に10万円を支給できるよう、しっかり準備を進めたい」と話していました。
政府が、現金での一括給付を容認する方針を示したことを受け、東京・23区ではこれまでに足立区などが全額現金での給付を行う方針で準備を進めています。
足立区は、全額の10万円を一括現金で今月27日に給付する方針です。
年内の一括現金給付対象は、ことし9月分の児童手当の対象となっている0歳から15歳までと、そのきょうだいで16歳から18歳の、合わせて8万5000人です。
一方、山際経済再生担当大臣が所得制限で対象外となる世帯への自治体独自の支給を政府として制約することはないという認識を示したことについて、足立区は詳しい情報を把握したうえで対応を決めたいとしています。
足立区は「全額現金給付を要望する区民の声が多く寄せられていて、一日も早く区民にお届けしたいと判断した」としています。
江戸川区は、今月23日ごろをめどに10万円を現金で一括給付する方針です。
区によりますと、現金での年内一括給付は、児童手当の対象となっている0歳から15歳までの児童がいる世帯を中心におよそ7万8000人が対象です。
一方、区は所得制限で対象外となる世帯への支給については行う予定はないとしています。
荒川区は、年内に2回に分けて現金で給付する方針です。
荒川区では1回目の5万円の現金給付を今月21日に行うことをすでに決めていたため、一括での給付が間に合わず、2回目の5万円の現金給付は今月28日に行う予定だということです。
年内の分割給付対象は、先月の時点で児童手当の対象の0歳から15歳までの児童がいる世帯です。
一方、区は所得制限で対象外となる世帯への支給については行う予定はないとしています。
荒川区は「できるかぎり早く、子育て世帯の区民に10万円を現金で届けることができればと考え、分割で給付方針となった。区内の商店などで消費してほしい」と話しています。
また、これまでに、23区以外では東村山市と狛江市、福生市が年内に現金で一括給付する方針です。
このうち、東村山市は、児童手当の対象となっている0歳から15歳までの児童がいる世帯を対象に年内に一括で給付するということです。
また、狛江市は児童手当の対象となっている0歳から15歳までの児童がいる世帯を中心に今月27日に現金で一括給付する方針です。
福生市は、児童手当の対象となっている0歳から15歳までの児童がいる世帯を中心に今月24日に現金で一括給付する方針です。
一方、3つの市のいずれも、現時点で、所得制限で対象外となる世帯への支給を行う予定はないとしています。