“国際線予約停止要請
首相も官房長官も事後報告”

国土交通省が、日本に到着するすべての国際線での新規予約の停止要請を取り下げたことに関連し、松野官房長官は、岸田総理大臣も、みずからも、要請を行ったことは事後に報告を受けたと明らかにしたうえで「水際対策では、責任うんぬんよりは迅速な対応が重要だ」と述べました。

新型コロナの新たな変異ウイルスへの水際対策として、国土交通省は、日本に到着するすべての国際線で新たな予約の停止を航空会社に要請しましたが、一部で混乱を招いたとして、要請を取り下げ、日本人の帰国需要に十分配慮するよう改めて通知しました。

これに関連して、松野官房長官は2日午後の記者会見で「国土交通省で航空会社と緊密に認識の共有を図り、予約状況や需要動向にきめ細かく対応していく方針だ。今後とも、感染状況を踏まえ機動的に必要な判断をしていく」と述べました。

そして、新たな予約停止の要請を行ったことは、岸田総理大臣には、12月1日の夜、総理大臣秘書官を通じて事後に報告があり、みずからは1日に関係省庁の幹部らでつくる「タスクフォース」を開いた際に、事後報告を受けたと明らかにしました。

そのうえで「航空会社への要請は、これまでも国土交通省の判断で行われてきたが、今後は国民に大きな影響を与える可能性がある事項については『タスクフォース』などで事前にしっかり相談があると考えている」と述べました。

一方、記者団が「混乱を招いた責任の所在はどこにあると考えるか」と質問したのに対しては「迅速を要する水際対策では、責任うんぬんというよりは、そのつど、そのつど、迅速に対応することが重要だと考えている」と述べました。

また、要請を行った法的根拠を問われたのに対しては「一律に日本人の帰国を制限するものではなく、既存の予約について配慮するとしていたことなどから、憲法上の移動の自由に反するものではないと聞いている」と述べました。

さらに「日本人の帰国を定住外国人の再入国より優先するのか」という質問に対しては、「再入国者については、基本的には日本人と同様の配慮が必要になるものと考えている」と述べました。

岸田首相「きめ細かく対応」

岸田総理大臣は3日午前9時すぎ、総理大臣官邸に入る際「入国者の総数は1日3500人程度をメドとしているが、キャンセルなどが今後生じることが想定される。曜日や日にちごとに予約の空き状況をしっかりと考慮してきめ細かく対応していく」と述べ、予約状況を把握しながら帰国を希望する日本人への対応をきめこまかく行う考えを示しました。

また「こうしたことを改めてしっかりと国民にも説明し、冷静に対応していただくようお願いしていく」と述べました。