岸田首相 甘利幹事長の後任
茂木外相起用へ

岸田総理大臣は、衆議院選挙の小選挙区で敗れたことを受けて辞任の意向を示していた自民党の甘利幹事長の後任に茂木外務大臣を起用する方針を決め、茂木氏に伝えました。

自民党の甘利幹事長は、今回の衆議院選挙で立候補した神奈川13区で議席を失い、比例代表で復活当選しました。

現職の自民党の幹事長が小選挙区で敗れるのは初めてで、甘利氏は幹事長を辞任する意向を岸田総理大臣に伝えていました。

これを受けて岸田総理大臣は、甘利氏の後任の幹事長に茂木外務大臣を起用する方針を決め、1日夕方、自民党本部で茂木氏に伝えました。

このあと茂木氏は記者団に対し「岸田総理大臣からは、きのうの総選挙で国民の皆さんから大きな信任をいただき、しっかり応えていかなければならないという話があった」と述べました。

その上で「まずはコロナからの回復と、大型の経済対策と補正予算案を年内にしっかり仕上げ、同時に党改革を具体的に大胆に進めてほしいとのことだった。さらに来年の通常国会を終えると、すぐに参議院選挙ということでそれを含めて、よろしくお願いしたいという話だった」と述べました。

また、岸田総理大臣は総理大臣官邸に戻った際、記者団が茂木氏の後任について質問したのに対し「今週4日に自民党の総務会を開いて手続きを進める。その過程で、しっかりと考えていく」と述べました。

茂木氏は衆議院栃木5区選出の当選10回で、66歳。自民党竹下派の会長代行を務めています。

平成5年の衆議院選挙で当時の日本新党から初当選し、その後、自民党に移り、これまでに経済産業大臣や金融担当大臣などの閣僚や党の政務調査会長や選挙対策委員長などを務めました。

第3次安倍第3次改造内閣では経済再生担当大臣として、TPP=環太平洋パートナーシップ協定や日米貿易協定の交渉などでも中心的な役割を担いました。

おととしからは外務大臣を務め、日本が推進する「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて各国外相らとの会談を精力的にこなしたほか、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う水際対策などの対応にも当たっています。

岸田総理大臣としては、政府や党で要職を歴任し竹下派の幹部も務めている茂木氏を党運営の要となる幹事長に起用し、政権基盤を安定させたい狙いがあるものとみられます。