小沢一郎氏や甘利明氏ら
比例代表で復活当選

立民 小沢一郎氏 選挙区で確保できず比例代表で復活当選

自民党の幹事長や民主党の代表などを務めた立憲民主党の前議員の小沢一郎氏は、小選挙区の岩手3区では議席を確保できませんでしたが、比例代表の東北ブロックで18回目の当選を確実にしました。

小沢氏は79歳。昭和44年の衆議院選挙に自民党から立候補して初当選し、これまでの当選回数は、今回の候補者の中で最多となる17回でした。

小沢氏は47歳の若さで自民党の幹事長を務めるなどしましたが、平成5年に離党し、新生党を結成して初めての非自民の政権を実現しました。

そして民主党の代表などを務めたあと、平成21年に誕生した民主党政権で幹事長を務めましたが、その後、消費税率の引き上げをめぐって党を離れました。

去年9月からは立憲民主党に所属しています。

自民党から2度政権を奪う立て役者となり、剛腕と呼ばれる一方、みずから結成した党の解党や離党を繰り返し、「壊し屋」の異名を取りました。

選挙戦で小沢氏は強固な後援会組織を中心に運動を進めて、政権交代を訴え、小選挙区の岩手3区では自民党の前議員の藤原崇氏に及ばなかったものの、重複立候補した比例代表の東北ブロックでは立憲民主党の名簿順位1位の中で惜敗率が高く、18回目の当選を確実にしました。

自民 甘利幹事長 選挙区で確保できず比例代表で復活当選

自民党の甘利明幹事長は、小選挙区の神奈川13区では議席を確保できませんでしたが、比例代表の南関東ブロックで13回目の当選を確実にしました。

甘利氏は72歳。昭和58年の衆議院選挙に当時の新自由クラブから立候補して初当選し、その後、自民党に入りました。

これまでに経済産業大臣や党の政務調査会長などを歴任し、岸田政権では党の幹事長を務め、今回の衆議院選挙を取りしきりました。

甘利氏は、13回目の当選を目指して、新型コロナ対策と経済活動の両立を図ることなどを訴え、小選挙区の神奈川13区では、立憲民主党の新人の太栄志氏に及ばなかったものの、重複立候補した比例代表の南関東ブロックでは、自民党の名簿順位1位の中で惜敗率が高く、13回目の当選を確実にしました。

甘利氏 党幹事長辞任の意向固める 岸田首相 近く判断へ

自民党の甘利幹事長は、今回の衆議院選挙で小選挙区で議席を確保できなかったことを受けて、幹事長を辞任する意向を固め、岸田総理大臣に伝えました。岸田総理大臣は、選挙結果や党内情勢などを踏まえ辞任を認めるかどうか近く判断することにしています。

自民党の甘利幹事長は、今回の選挙で神奈川13区から立候補しましたが、立憲民主党の新人候補に及ばず、小選挙区で議席を獲得できませんでした。

自民党の現職の幹事長が小選挙区で議席を確保できなかったのは、小選挙区制度が導入されて以来初めてです。

これを受けて甘利氏は、責任をとりたいとして幹事長を辞任する意向を固め、岸田総理大臣に伝えました。

これに対し岸田総理大臣は「自分に預からせてもらいたい」と述べ、選挙結果や党内情勢などを踏まえ甘利氏の辞任を認めるかどうか近く判断する考えを示しました。

甘利氏は、先の自民党総裁選挙で岸田総理大臣を支持する方針をいち早く打ち出して陣営の幹部を務めるなど勝利に貢献し、先月1日に行われた党役員人事で幹事長に起用されたばかりでした。

立民 中村喜四郎元建設相 茨城7区で議席確保できず

立憲民主党の中村喜四郎 元建設大臣は、小選挙区の茨城7区では議席を確保できませんでしたが、比例代表の北関東ブロックで15回目の当選を確実にしました。

中村氏は72歳。昭和51年の衆議院選挙に無所属で立候補して初当選し、その後、自民党に入って建設大臣などを務めました。

平成6年にゼネコン汚職事件で逮捕・起訴され、自民党を離党して無所属となりました。

去年9月に立憲民主党に入り、今回、28年ぶりに政党の公認候補として立候補し、初めて、比例代表に重複立候補しました。

選挙戦で中村氏は、外交・安全保障や新型コロナ対策の強化などを訴え、小選挙区の茨城7区では自民党の前議員の永岡桂子氏に及ばなかったものの、重複立候補した比例代表の北関東ブロックでは、立憲民主党の名簿順位1位の中で惜敗率が高く、15回目の当選を確実にしました。

自民 若宮万博担当相 東京5区で議席確保できず

自民党の若宮健嗣 万博担当大臣は小選挙区の東京5区では議席を確保できませんでしたが、比例代表の東京ブロックで当選を確実にしました。

若宮氏は60歳。平成17年の衆議院選挙で初当選し、岸田内閣で万博担当大臣に起用され初入閣を果たしました。

今回の選挙で、若宮氏は5回目の当選を目指して、新型コロナ対策と経済再建の両立などを訴えましたが、小選挙区の東京5区では立憲民主党の前議員の手塚仁雄氏におよびませんでした。

若宮氏は、比例代表の東京ブロックで当選を確実にしました。

自民 金田勝年元法相 秋田2区で議席確保できず

自民党の金田勝年元法務大臣は、小選挙区の秋田2区では議席を確保できませんでしたが、重複立候補していた比例代表の東北ブロックで復活当選することが確実になりました。

金田氏は72歳。参議院議員を2期務めたあと平成21年の衆議院選挙に立候補して、これまでに4回当選しました。

第3次安倍第2次改造内閣で法務大臣を務め、「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法の成立に尽力しましたが、国会審議で金田氏の答弁をめぐって質疑が中断するケースもたびたびありました。

選挙戦で金田氏は新型コロナ対策に力を入れるとしたうえで、郷土を守り抜く政策を推し進めると訴えました。

小選挙区の秋田2区では立憲民主党の前議員の緑川貴士氏におよびませんでしたが、惜敗率でほかの自民党の候補を上回ることから、重複立候補していた比例代表の東北ブロックで復活当選することが確実になりました。

自民 桜田義孝 元五輪相 千葉8区で議席確保できず

自民党の桜田義孝元オリンピック・パラリンピック担当大臣は、小選挙区の千葉8区では議席を確保できませんでしたが、重複立候補していた比例代表の南関東ブロックで復活当選することが確実になりました。

桜田氏は71歳。平成8年の衆議院選挙で初当選して、これまでに7回当選しました。

第4次安倍改造内閣でオリンピック・パラリンピック担当大臣として初入閣しましたが、失言を繰り返し、自民党議員のパーティーで、「復興以上に大事なのが議員だ」などと発言して、大臣を辞任しました。

選挙戦で、桜田氏は、国産ワクチンや治療薬の研究・開発体制の強化や不妊治療の支援策の拡充などを訴えました。

小選挙区の千葉8区では立憲民主党の新人の本庄知史氏に及びませんでしたが、重複立候補していた比例代表の南関東ブロックで復活当選することが確実になりました。

自民 平井卓也 前デジタル相 香川1区で議席確保できず

自民党の平井卓也 前デジタル大臣は、小選挙区の香川1区では議席を確保できませんでしたが、重複立候補していた比例代表の四国ブロックで復活当選することが確実になりました。

平井氏は、63歳。平成12年の衆議院選挙で初当選し、菅内閣ではデジタル改革担当大臣を務め、デジタル庁の創設に尽力しました。

平井氏は、8回目の当選を目指して、デジタル改革の推進などを訴えましたが、小選挙区の香川1区では、立憲民主党の前議員の小川淳也氏に及びませんでした。

平井氏は、重複立候補していた比例代表の四国ブロックで復活当選することが確実になりました。