ベテラン議員も落選
自民 石原氏、立民 辻元氏ら

自民 石原伸晃 元幹事長が落選 比例でもおよばず

自民党の石原伸晃 元幹事長は小選挙区の東京8区で敗れ、重複立候補した比例代表の東京ブロックでも惜敗率でおよばず、落選しました。

石原氏は64歳。石原慎太郎 元東京都知事の長男で、平成2年の衆議院選挙で初当選しました。

自民党石原派の会長を務め、これまでに10回連続で当選し、党の幹事長や経済再生担当大臣などを歴任しました。

選挙戦で石原氏は新型コロナ対策の充実や経済の回復に向けた取り組みなどを訴え11回目の当選を目指しましたが、小選挙区の東京8区では立憲民主党の新人の吉田晴美氏に敗れ、重複立候補した比例代表の東京ブロックでも惜敗率でおよばず、落選しました。

無所属 松本純氏が落選 深夜まで銀座クラブで自民党を離党

緊急事態宣言のさなかに、深夜まで飲食店に出入りしていたことを受けて自民党を離党し、神奈川1区に無所属で立候補した松本純 元国家公安委員長が落選しました。

松本氏は71歳。平成8年の衆議院選挙で初当選し、国家公安委員長などを務めました。

ことし1月、新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が続く中、深夜まで銀座のクラブなどに出入りしていたことを受けて自民党を離党し、今回、神奈川1区に無所属で立候補しました。

松本氏は国産ワクチンや治療薬の開発力の強化などを訴えて信頼の回復に努め、8回目の当選を目指しましたが、立憲民主党の前議員の篠原豪氏に及ばず、落選しました。

自民 野田毅 元自治大臣が落選 重複立候補なし

16回連続で当選を重ねてきた自民党の野田毅 元自治大臣は、熊本2区で落選しました。

野田氏は80歳。昭和47年の衆議院選挙で初当選し、これまでに16回連続で当選を重ね、自治大臣や党の税制調査会長などを歴任しました。

選挙戦で野田氏は、17回目の当選を目指して、5年前の熊本地震の復興予算の確保や新型コロナのワクチン配備などに尽力した実績などを訴えましたが、元財務省職員で、無所属の新人の西野太亮氏に及びませんでした。

野田氏は、比例代表に重複立候補していないため、落選しました。

立民 辻元副代表が落選 比例でもおよばず

立憲民主党の辻元清美 副代表は小選挙区の大阪10区で敗れ、重複立候補した比例代表の近畿ブロックでも惜敗率でおよばず、落選しました。

辻元氏は61歳。平成8年に初当選し、これまでに社民党の国会対策委員長や民進党の幹事長代行などを務め、現在は立憲民主党の副代表を務めています。

選挙戦で辻元氏はコロナ禍での経済支援策として、一時的な消費税率の引き下げなどを訴え8回目の当選を目指しましたが、小選挙区の大阪10区では日本維新の会の新人の池下卓氏に敗れ、重複立候補した比例代表の近畿ブロックでも惜敗率でおよばず、落選しました。

辻元氏「私自身の力不足と責任を痛感」

辻元氏は「私自身の力不足と責任を痛感している。コロナの中で苦しむ女性たちの声などを国会に届けたいという気持ちで活動してきたが、それができなくなることが私自身もつらい。おわびの言葉しかない」と述べ頭を下げました。

そのうえで、現在務めている党の副代表などの役職については「枝野代表と相談して考えたいが、責任を取って辞任するのが筋だと思う」などと述べ、退く意向を示しました。

立民 平野代表代行が落選 官房長官や文科相を歴任

大阪11区は、民主党政権で官房長官や文部科学大臣を歴任した立憲民主党の代表代行の平野博文氏が、落選しました。
比例代表でも議席を確保できませんでした。

平野氏は和歌山県かつらぎ町出身の72歳。
衆議院議員の秘書や大手電機メーカーの労働組合の中央執行委員を経て平成8年の衆議院選挙で初当選しました。

民主党政権では官房長官や文部科学大臣などを歴任し、現在は、立憲民主党の代表代行を務めています。

平野氏は、今の政権の新型コロナウイルス対策を批判し消費税や所得税の引き下げを訴え、連合大阪の全面的な支援を受けましたが、いわゆる無党派層などに支持を広げることができず、8回目の当選は果たせませんでした。

平野氏「今後、別の立場から運動」

平野氏は「大変厳しい結果となったが、すべて私自身の責任だ。コロナ禍で難しい選挙だったが、全力で支援してもらったことにお礼とおわびを申し上げたい。議席はなくなったが、一国民、政治家として行ってきたことがあるので、今後は別の立場から運動を続けていきたい」と述べました。