東日本大震災の被災地を視察
岩手 宮城 福島 岸田首相

岸田総理大臣は、就任後初めて、東日本大震災の被災地を視察し、新たに策定する経済対策に漁業や観光業に対する支援策を盛り込む方針を示すとともに、今後も被災地の人たちと対話を重ねながら復興に取り組む考えを強調しました。

岩手 悼祈念施設で献花

岸田総理大臣は、16日午前、津波で甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市を訪れ、犠牲者の追悼祈念施設で、献花台に花を手向けて黙とうをささげ、亡くなった人たちを悼みました。

このあと、大船渡市の魚市場で漁業関係者などと車座で意見交換を行い、ノートにメモをとりながら、不漁が続くサンマ漁やサケ漁の状況などを聴き取りました。

そして「未来に向けて努力を形にし、成果につなげていくお手伝いを政治はしなければいけない。大型の経済対策の中で不安定な収入に対する支援はしっかり考えなければならない」と述べ新たに策定する経済対策に漁業への支援策を盛り込む考えを示しました。

宮城 観光関係者らと意見交換

午後からは、宮城県に移り、石巻市の追悼祈念施設で献花台に花を手向けて黙とうをささげたあと、特産品のかまぼこを製造する工場を視察しました。

また、松島町では、ホテルや土産物の販売など、観光関係者らと車座になり、新型コロナウイルスによる地域経済への影響などをめぐって 意見を交わしました。

このあと、岸田総理大臣は、記者団に対し「コロナを乗り越えた先に観光業をどう再生していくのかについて 貴重な意見をいただいた。宿泊施設の改修などに対する支援や『事業再構築補助金』は従来から大変人気があるので、 経済対策の中でもしっかり取り上げたい」と述べました。その上で「今後とも被災地の方々と丁寧な対話を積み重ねながら『東北の復興なくして日本の再生なし』の方針のもとで努力を続けたい」 と述べました。

福島第一原発を視察

東日本大震災の被災地の視察で岩手と宮城を16日に訪れた岸田総理大臣は、17日福島に入り、午前中、東京電力福島第一原子力発電所を訪れました。

岸田総理大臣は、1号機から4号機までを見渡せる高台で、福島第一廃炉推進カンパニーの小野明代表から廃炉作業の状況や、処理水の成分などについて説明を受けました。

そして、岸田総理大臣は「廃炉が復興の前提なので、地元の信頼関係を大事にして、しっかり作業を進めてもらいたい」と述べました。

このあと福島県浪江町に移動し、東日本大震災で犠牲となった人たちの慰霊碑を訪れ、献花台に花を手向けて黙とうをささげ、亡くなった人たちを悼みました。