日本郵政「かんぽの宿」
すべて売却へ

日本郵政は、運営している33の「かんぽの宿」のうち32の施設について売却先が決まったと発表しました。残る1つも売却に向けて協議をしていて、すべての「かんぽの宿」が日本郵政のもとを離れることになります。

日本郵政は1日、運営する32の「かんぽの宿」についてホテルの運営会社など4つの事業者に合わせて88億円で売却することが決まったと発表しました。

また、残る1つについても地元自治体と売却に向けて協議を進めているということで、これで運営する33の施設すべてを売却することになります。営業は継続されます。

日本郵政は2008年にオリックス不動産に対してかんぽの宿を一括で売却することをいったん決めましたが、「安すぎる」などと指摘されたことから白紙となりました。

その後、施設の廃止を段階的に進めてきましたが、営業を続けてきた施設でも利用者数が伸び悩み民営化以降、昨年度までの累積赤字は650億円にのぼっていました。

売却は来年4月で従業員の雇用は継続されるとしています。

また「かんぽの宿」の名称を継続するかどうかは、売却先の事業者と協議するとしています。

日本郵政の増田寛也社長は1日の会見で「経営資源をコアビジネスの推進に振り向けることが必要不可欠で、実績のある事業者に譲渡することが最善だと判断した」と述べました。