新内閣はどのように発足し
総理大臣はどう誕生するのか

10月4日、臨時国会が召集され、菅総理大臣の後任となる第100代総理大臣に自民党の岸田文雄総裁が就任し、新しい内閣を発足させました。

内閣発足の1日はどのようなことが行われるのでしょうか。
その1日を詳しく紹介します。

朝 臨時閣議

臨時閣議を開き、閣僚の辞表を取りまとめます。これまでの内閣は総辞職します。

午後 衆議院本会議で首班指名

内閣が総辞職したことを受け、衆議院本会議が開かれ、総理大臣指名選挙が行われます。これは「首班指名」と呼ばれます。
議長が議員の名前を読みあげると、各議員が登壇し、記名投票を行います。
国会議員の中から、投票の過半数を得た人が総理大臣に指名されることになります。

参議院本会議でも首班指名

衆議院に続いて、参議院でも本会議が開かれ、首班指名が行われます。

衆議院と異なる指名となった場合、衆参両院の協議会が開かれます。
そこでも意見が一致しない場合は、衆議院の議決が国会の議決となります。これは「衆議院の優越」と呼ばれています。

組閣本部設置、閣僚名簿発表

組閣本部が設置され、起用が内定している官房長官が、新しい閣僚名簿を発表します。

閣僚の呼び込みも行われ、次々と新閣僚が総理大臣官邸に入ってきます。
エントランスに多くの記者やカメラマンが待ち構え、この様子は繰り返しニュースで放送されます。

そして、総理大臣から閣僚とすることを直接告げられ、取り組んで欲しい重要政策について指示があります。

夕方 皇居で親任式と認証式

組閣が行われると、皇居での総理大臣の親任式と、閣僚の認証式が行われます。

親任式では、天皇陛下から任命する旨のお言葉があったあと、前の総理大臣から任命書が伝達されます。親任式には、衆参両院の議長が立ち会います。

親任式に引き続き、国務大臣の認証式が行われ、新しい内閣が正式に発足します。

夜 総理大臣記者会見

就任後、初めての記者会見です。内閣の方針や抱負をここで述べ、記者からの質問に答えます。

初閣議

総理大臣と全閣僚が出席して、新内閣初めての閣議が行われ、内閣の基本方針が決定されます。

写真撮影

赤いじゅうたんを敷いた総理大臣官邸の階段で、総理大臣を中心に閣僚たちが、写真撮影を行うことが慣例となっています。

深夜 閣僚記者会見

閣僚の初めての記者会見が行われるのは、深夜、場合によっては日を超えることもあります。

これが内閣発足の長い1日です。