日米外相会談 自由で開かれた
インド太平洋へ 協力で一致

ニューヨークを訪問中の茂木外務大臣はアメリカのブリンケン国務長官と会談し、アメリカとイギリス、オーストラリアによる新たな安全保障の枠組みが設けられたことを踏まえ、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、さまざまな枠組みを通じて同盟国や同志国の協力を深めていく方針で一致しました。

国連総会にあわせてニューヨークを訪問している茂木外務大臣は、日本時間の23日朝早く、アメリカのブリンケン国務長官と会談しました。

この中で両外相は、先週、アメリカとイギリス、オーストラリアの3か国が「AUKUS」と呼ばれるインド太平洋地域の安全保障の枠組みを新たに設けたことをめぐって意見を交わしました。

そのうえで、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け「AUKUS」や、日米とオーストラリア、インドの4か国による「クアッド」など、さまざまな枠組みを通じて同盟国や同志国の協力を深めていく方針で一致しました。

また、中国と台湾が加入を申請したTPP=環太平洋パートナーシップ協定をめぐって、インド太平洋地域の国際秩序を維持する観点から議論を行い、茂木大臣はブリンケン国務長官に対し、TPPへのアメリカの復帰を促しました。

このあと茂木大臣は、日米韓3か国の外相会談に臨み、北朝鮮情勢をめぐり「先の弾道ミサイルの発射を含め北朝鮮による最近の核・ミサイル活動は、日本、地域、国際社会の平和と安全を脅かすものだ」と指摘しました。

そのうえで3か国の外相は、北朝鮮の完全な非核化に向けて、外交的な取り組みの強化や、国連安保理決議の完全な履行、地域の抑止力の強化が重要だという認識で一致し、日米韓の連携を一層深めていくことを確認しました。

アフガニスタン情勢 “タリバンに統一メッセージ”G20外相会合

アフガニスタン情勢をめぐり、G20=主要20か国の外相らによる臨時の会合がオンライン形式で開かれ、アフガニスタンからの安全な出国やテロ対策などの諸課題をめぐり、G20が足並みをそろえてタリバンに統一したメッセージを出していく重要性を確認しました。

G20=主要20か国は、議長国イタリアの呼びかけで日本時間の23日朝早く、アフガニスタン情勢をめぐる臨時の外相会合をオンライン形式で開き、国連のグテーレス事務総長やカタールなど関係国の外相らも参加しました。

この中でグテーレス事務総長は「深刻な人道状況をはじめアフガニスタンが直面する課題に対応するために、国際社会の努力を結集させたい」と呼びかけました。

茂木外務大臣は、イスラム主義勢力タリバンへの対応をめぐり多様な民族・宗派を含む包摂的な枠組みによる国づくりや、女性の権利の尊重などを国際社会が一致して求めていくことが重要だと指摘しました。

そのうえで「アフガニスタンがテロの温床とならないようにすることが不可欠だ。タリバンの行動を注視しつつ、G20のメンバーやパートナーとともに取り組みたい」と述べました。

そして会合では、アフガニスタンからの安全な出国や人道危機の回避、テロ対策などの諸課題をめぐりG20が足並みをそろえてタリバンに統一したメッセージを出していく重要性を確認しました。

米国務長官 “国際社会の承認や支持 タリバンの行動しだい”

アメリカ国務省の高官によりますと、会合のなかで、ブリンケン国務長官は、タリバンが求めている国際社会からの承認や支持が得られるかどうかは、移動の自由の保証やテロ対策、女性の人権の保護など、今後のタリバンの行動しだいだと述べたということです。