コロナ感染拡大に備えた対策
与野党が議論 衆院厚労委

衆議院厚生労働委員会の閉会中審査が開かれ、新型コロナウイルスの今後の感染拡大に備えた対策などをめぐって議論が交わされました。

自民党の橋本岳氏は、感染予防対策としての診療報酬の特例的な上乗せについて「加算は9月末までだが、何らかの形で続けなければ医療の現場が力を失う」と指摘しました。

田村厚生労働大臣は「第6波も見据えて対応しないといけない。感染状況だけでなく、地域医療の実態も踏まえてしっかりと財務大臣と話をしていきたい」と述べました。

立憲民主党の長妻昭氏は「準備が後手後手に回り、人災の側面もあって、医療は今もまだひっ迫している」と述べ、第6波に備えた対応をただしました。

田村大臣は「世界的に見ると、ワクチン接種がかなり進んでいる国でも以前と同じように感染が進む実情もある。専門家も『冬に向かって、また波が来る可能性は十分にあるのではないか』と話しており、しっかり体制を整備しないといけない」と述べました。

公明党の伊佐進一氏は「ワクチンは無料で打てるが、何らかの事情で打てない人などの検査にも、公費助成が必要ではないか」とただしました。

内閣官房の柳樂内閣審議官は「今後、専門家の知見も聞きながら、事業者や自治体などと費用負担の在り方の議論を深めていきたい」と述べました。

共産党の宮本徹氏は飲食店などでの感染対策をめぐり「換気の基準や方法、二酸化炭素モニターの活用など、科学的な裏付けをもった換気対策を打ち出すべきだ」と求めました。

政府の分科会の尾身会長は「マイクロ飛まつの感染対策が、より重要なことは間違いない。二酸化炭素モニターをいろいろなところに設置し、実証実験を行って日本の基準を決めればよいのではないか」と述べました。

日本維新の会の会派に所属する青山雅幸氏は「コロナ病床の受け入れでは、医療機関に補助金が入るが、補助金を受け取りながら患者の受け入れを拒否している医療機関がないか調査してほしい」と求めました。

田村大臣は「長期間患者を受け入れないというのは完全に補助金の目的に反している。もし補助金が払われているのであれば、しっかりと対応しないといけない」と述べました。

国民民主党の山崎摩耶氏は12歳未満のワクチン接種について「アメリカでは年内には使用許可が出されるとの見解が示されている。日本でも検討を始めてはどうか」とただしました。

田村大臣は「ファイザーとモデルナで、生後6か月から11歳を対象とした臨床試験が実施されている。データが得られれば、日本でもどうすべきか、しっかり検討していきたい」と述べました。

また、政府の分科会の尾身会長は「ワクチンが一定の感染予防となることは間違いないが、接種したことで安心感が生まれ対策が緩むことが、この冬の感染拡大の重要なリスク要因だ」と述べました。

一方、尾身会長は、新型コロナ対策の行動制限について「ワクチン接種が終わったからといって、急に緩めると、必ずリバウンドが起こる。行動制限は、しっかりと緊急事態宣言を解除し、感染がある程度落ち着いた時に徐々にやっていくことが、これから取る道だ」と指摘しました。