東京パラリンピック
原則全会場で無観客開催
東京パラリンピックの観客の扱いについて話し合う大会組織委員会やIPC=国際パラリンピック委員会など4者による会談が開かれ、原則としてすべての会場で観客を入れずに開催されることが決まりました。
東京大会はほとんどの会場が無観客となったオリンピックに続いてパラリンピックも観客を入れずに開催される異例の形となります。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、今月8日に閉幕した東京オリンピックは、都内をはじめとするほとんどの会場が無観客での開催となり今月24日に開幕する東京パラリンピックの観客の扱いが焦点となっていました。
開幕まで8日となった16日、IPCのパーソンズ会長が来日しパラリンピックの観客の扱いについて話し合う組織委員会とIPC、政府、東京都の4者による会談が開かれました。
その結果、パラリンピックは緊急事態宣言が出されている東京・埼玉・千葉に加え、政府に緊急事態宣言を出すよう要請している静岡も含めて、すべての競技会場で、原則として無観客で開催されることが決まりました。
一方で、学校連携観戦チケットによる子どもたちの観戦については教育的な意義を重視して安全対策を講じたうえで、1都3県でいずれも実施するということです。
東京大会はほとんどの会場が無観客となったオリンピックに続いてパラリンピックも観客を入れずに開催される異例の形となります。
車いすラグビー日本代表 池透暢選手「覚悟していた」
東京パラリンピックの車いすラグビー日本代表のキャプテン、池透暢選手は「チームのモチベーションに関しては全く問題ないと思う。無観客も覚悟していたし、その準備もしてきた。テストイベントなどでも観客がいない状況で戦うというメンタルも仕上げている。歓声があると最大限の力を発揮できるが、今回はテレビの向こうで応援してもらっていると信じて全力で戦い抜きます」と話していました。
77万枚のチケットはすべて払い戻し
東京パラリンピックに向けてはこれまで国内で77万枚のチケットが一般の観客向けに販売されていました。
これがすべての競技会場で一般の観客を入れずに開催されると決まったことで、77万枚すべてが払い戻しされることになり、組織委員会は今後、払い戻しの具体的な手続きやスケジュールを説明することにしています。
学校連携観戦チケットとは
学校連携観戦チケットは、次世代を担う子どもたちに観戦してもらうため自治体や学校が購入するチケットです。
ほとんどの競技会場が無観客での開催となったオリンピックでも宮城、静岡、茨城の3県ではこのチケットを活用して子どもたちが競技を観戦しました。
パラリンピックの学校連携観戦チケットは、去年1月までに68万枚の購入希望が寄せられていましたが、その後、大会の延期に伴ってキャンセルの受け付けをしていて大会組織委員会は現時点でどのぐらいのチケットが有効かは明らかにしていません。
小池知事「無観客つらいが安全安心な大会を」
東京パラリンピックが原則としてすべての会場で観客を入れずに開催することが決まったことについて、東京都の小池知事は「無観客になることは大変つらいものもあるが、安全安心な大会を開催してこそだ。万が一、陽性になったときのサポートのあり方など、まずアスリートの方々を守ると同時に、安全安心な大会に向けて感染拡大防止策を徹底したい」と述べました。
学校連携観戦チケット「安全対策を講じたうえで実施」
また、学校連携観戦チケットによる子どもたちの観戦については、「共生社会の実現に向けた教育的要素が大きいということからも、保護者などの意向を踏まえて、区市町村や学校を設置している人たちが希望する場合には安全対策を講じたうえで実施できるようにする」と述べました。
一方、記者団が「災害級の感染が発生するなか、共生社会を見てもらうために競技場に行き、体験してもらうというメッセージが、移動を促すことにつながらないか」と問われると、「そのために細心の安全対策を図りながら進めていくということだ。以上です」と述べました。
都の幹部「一般都民に外出促している訳ではない」
東京パラリンピックで学校連携観戦チケットによる子どもたちの観戦を実施することについて、都の幹部は「感染状況を踏まえると人流を抑えることが重要だからこそ、多くの人が移動するのを避けるために無観客という結論になった。子どもたちが観戦できるからといって広く一般の都民に外出を促している訳ではない」と話しています。