沖縄 自衛隊に災害派遣要請
新型コロナで医療体制ひっ迫

新型コロナウイルスの急速な感染拡大で、医療従事者の人手が不足していることから、沖縄県は12日午前、陸上自衛隊に対し医療支援のための災害派遣を要請しました。

沖縄県内では新型コロナの急速な感染拡大で、入院や診療を制限する医療機関が相次ぎ、医療提供体制のひっ迫の度合いが高まっています。

沖縄県は、すでに全国知事会などに対して医師や看護師の派遣を要請していますが、これに続き12日午前、陸上自衛隊に対し、看護官の災害派遣を要請しました。

看護官は入院が必要なのに受け入れ先が決まらない患者が、一時的に待機する「入院待機ステーション」に派遣され、中等症患者の健康管理などの業務にあたるということです。

期間は12日から今月25日までの2週間です。

新型コロナの感染拡大を受けた医療支援で、沖縄県が自衛隊に災害派遣を要請するのは、今回で4回目となります。

看護官1人と准看護師4人を派遣 自衛隊

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う沖縄県の災害派遣要請を受け12日、医療現場の支援のため、陸上自衛隊那覇駐屯地から看護官など5人が派遣されました。

派遣されたのは陸上自衛隊第15旅団の看護官1人と准看護師4人で、12日、後方支援にあたる隊員も含めた20人が、那覇駐屯地で出発式に参加しました。

この中で第15後方支援隊隊長の伊高賢1等陸佐が「感染防止対策を万全に行い、一人一人緊張感を持って業務にあたってほしい」と隊員らに訓示しました。

5人は沖縄本島の体育館に設置された「入院待機ステーション」に派遣され、現場の医療関係者とともに、入院が必要なのに受け入れ先が決まらない患者の看護活動にあたるということです。

期間は12日から今月25日まで2週間の予定です。

看護官として派遣される木村寿希2等陸尉は「みずからが感染しないように細心の注意をはらって、現場の医療関係者と連携して活動し、県民の皆様のために役に立てるよう頑張りたい」と話していました。

沖縄県内では新型コロナの急速な感染拡大で、入院や診療を制限する医療機関が相次ぎ、医療提供体制のひっ迫の度合いが高まっていて、沖縄県は全国知事会などに対しても医師や看護師の派遣を要請しています。

医療体制ひっ迫 入院や診療の制限 相次ぐ

新型コロナウイルスの急速な感染拡大で、沖縄県内の医療提供体制はひっ迫の度を増しています。
入院や診療の制限を行う医療機関が相次ぐなど影響が深刻化していて、県は、県外に応援を求めるなど、人員の確保を急いでいます。

県内では、人口10万人あたりの感染者数が9日までの1週間で256.09人と、11日連続で過去最多を更新し、全国で最悪の感染状況が続いています。

また自宅療養者数は増え続けて過去最多の2100人となっていることから、県は看護師などによる電話での健康観察を強化しています。

こうした中、医療提供体制はひっ迫の度を増していて、「県立南部医療センター・こども医療センター」は、11日から当面、緊急を要する場合を除いてすべての科の入院を中止するほか、県立中部病院は、一般外来を今月20日まで中止するなど、入院や診療の制限を行う医療機関が相次いでいます。

このため県は全国知事会と九州地方知事会に対して、医師10人、看護師54人の派遣を要請し、人員の確保を急いでいます。

一方、県は感染経路を特定するための積極的疫学調査の体制を強化するため、13日まで、中部保健所と南部保健所での生活衛生関連などの窓口業務を一時停止することにしています。