まん延防止等重点措置
8県追加 13道府県に拡大

新型コロナウイルス対策で、まん延防止等重点措置の適用地域が、8日から拡大されました。政府は、全国規模の感染拡大を抑えるため、拠点となる地域での対策を強化するとともに、引き続き、不要不急の外出自粛などを粘り強く呼びかける方針です。

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、8日から、まん延防止等重点措置の適用地域に、福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県が追加され、重点措置の適用地域は13の道府県に拡大されました。

また、首都圏の1都3県と大阪府、沖縄県には緊急事態宣言が出されていて、期間は、宣言と重点措置のいずれも今月31日までとなっています。

こうした中、東京では、7日、これまでで2番目に多い4500人あまりの感染が確認されるなど、新たな感染者は、全国で1万5000人を超え、1日の発表としては4日連続で最も多くなりました。

政府は、全国規模の感染拡大を抑えるため、宣言や重点措置により、拠点となる地域での対策を強化することにしており、飲食店の営業時間の短縮や、酒の提供停止などを徹底するとともに、医療提供体制の確保を進めることにしています。

さらに、人の流れを可能なかぎり抑制する必要があるとして、引き続き、不要不急の外出自粛や、お盆の時期の帰省や旅行を極力控えることなどを粘り強く呼びかける方針です。

菅首相「不要不急の外出、帰省、旅行 極力避けて」

新型コロナウイルス対策をめぐり、菅総理大臣は、9日、長崎市で記者会見し、若い世代で重症化のリスクが高まっているとして、不要不急の外出や、帰省、旅行を極力避けるなど、感染拡大防止への協力を呼びかけました。

この中で、菅総理大臣は、新型コロナウイルスの感染状況について「若者から家庭への感染が広がっているという指摘もある。若者でも重症化のリスクが高まっているほか、後遺症がある人も出てきている」と述べ、新規感染者が増えている若い世代への感染防止対策を進めることが重要だという認識を示しました。

そのうえで「今週からお盆の時期を迎えるが、感染力の強い変異株により、かつてない感染拡大が続いていて、極めて大事な時期だ。若いから影響がないということではないと認識し、不要不急の外出を控えてほしい。帰省、旅行も極力避け、やむを得ないときは、検査をしながら、身近な人と少人数で行くなど、若い人たちも感染拡大の防止にぜひ協力して頂きたい」と述べました。

また、ワクチン接種について「総接種回数は1億回を超えている。1日も早く、2回の接種を多くの国民に進めていくことが、感染拡大や重症化の防止に大いに効果がある」と述べました。

滋賀 びわ湖沿岸の駐車場すべて閉鎖

8日からまん延防止等重点措置が適用される滋賀県では、県外からの人出を抑えようと、びわ湖の沿岸にある県営公園の駐車場、64か所をすべて閉鎖しました。

滋賀県は新型コロナウイルスの感染の急拡大でまん延防止等重点措置が適用されることを受けて、7日からびわ湖岸にある県営公園の駐車場をすべて閉鎖しました。

閉鎖されたのは64か所・およそ2000台分で、このうち草津市の矢橋帰帆島公園の駐車場では、担当者が午前9時から「駐車場閉鎖」と書かれた貼り紙を掲示したり、車が入れないように鉄製の柵を置いたりしていました。

駐車場の閉鎖は今月31日までで、期間中、県営公園ではバーベキューやキャンプも禁止されるということです。

一方、近くに住む人が散歩やジョギングなどで利用することはできるということです。

滋賀県はこうした取り組みで県外からの人出を抑えたいとしており「県民には迷惑をかけますが、感染拡大の防止のために理解と協力をお願いしたい」としています。

滋賀県によりますと、草津市や守山市など沿岸の自治体が設けている駐車場についても、7日から多くが閉鎖されているということです。

熊本 繁華街では

新型コロナウイルスの感染の急拡大を受けて、8日から熊本県に「まん延防止等重点措置」が適用され、対象区域の熊本市では早期の収束を願う声が聞かれました。

熊本県では「まん延防止等重点措置」が8日から今月31日まで適用され、県は、熊本市内のすべての飲食店に営業時間を午後8時までとし、酒類の提供を終日行わないよう要請しています。

初日の8日、市内中心部では通常の週末ほどの人混みはなかったものの、若者を中心に行き交う人の姿がみられました。

市内の女子大学生は「重点措置は残念ですが我慢をして、政府を批判するだけでなく、私たち若い世代も感染拡大を防止するために、何ができるか、考えなければいけないと思います」と話していました。

市内の80代の女性は「しかたないという思いの一方で感染拡大が長く続き、いいかげんにしてほしいという思いもあります。高齢者だけでなく、若い人たちにも早くワクチンを接種してもらい、収束に向かってほしい」と話していました。

ビアレストランは経営厳しく

また、ビアレストランの店長の男性は「前回の重点措置のあと売り上げは少し回復していましたが、再び酒の提供ができなくなり、経営がさらに厳しくなる見通しです。仕入れた在庫の補償など対策の幅を広げてほしいし、常連の人たちがまた来店できるよう、早く収束してもらいたい」と話していました。

福島 居酒屋は販路拡大の工夫

このうち、JRいわき駅前にある居酒屋では、8日から店内での営業を一時休止し、テイクアウトや宅配サービスを使った販売に切り替えました。

また、この店では、テイクアウトなどだけでは経営が厳しいとして、地元の海産物などを使った料理をインターネットで販売することも計画しています。

「和食酒場AFRO」の若松佑樹代表は「居酒屋はお酒を飲みに来る人が大半なので、酒の提供ができないのは大きな痛手です。コロナが収束するのを待っているだけでは乗り切れないので、インターネットを活用して新たな可能性を探りたい」と話していました。