菅首相 五輪外交
仏マクロン大統領とも

菅総理大臣は、次の2024年のパリオリンピック開催国、フランスのマクロン大統領と会談し、コロナ禍での安全・安心といった東京大会の経験をパリ大会に共有することで一致しました。

菅総理大臣とマクロン大統領は東京 港区の迎賓館で会談したあと、1時間余り昼食もともにし、共同声明を発表しました。

会談でマクロン大統領は「昨夜の開会式はすばらしかった。東京オリンピック・パラリンピックの成功を確信している」と述べました。

そして、「新型コロナに打ち勝つ世界の団結の強力な象徴」として、東京大会開催の意義を確認し、コロナ禍での「安全・安心」、「共生」といった今回の経験をパリ大会に共有することで一致しました。

また、両首脳は自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて緊密に連携していくことでも一致しました。

一方、会談では、中国を含む地域情勢への対応をめぐっても意見を交わし、香港情勢や新疆ウイグル自治区の人権状況について深刻な懸念を共有しました。

また、共同声明には、途上国へのワクチン供与を含む新型コロナ対策での協力や、自衛隊とフランス軍の部隊間の関係強化などが盛り込まれました。

23日の東京オリンピックの開会式にあわせて日本を訪れる首脳クラスは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあって、これまでのところおよそ15の国と機関にとどまる見通しです。

菅総理大臣は、日本を訪れた各国の要人らと22日から東京 港区の迎賓館で個別に会談を行っています。

このうち、WHO=世界保健機関のテドロス事務局長との会談で、菅総理大臣は東京大会の感染対策に関しテドロス氏の尽力に謝意を伝えました。

そして「世界が団結し、人類の努力と英知によって難局を乗り越えていけることを日本から世界に発信したい」と述べました。

これに対しテドロス氏は「東京大会が開催されることになり大変喜ばしい。日本は新型コロナ対策に最善を尽くしてきた。世界の新型コロナ対応への日本の貢献に感謝する」と応じました。

また、菅総理大臣が、WHOの検証・改革の議論に積極的に貢献していくと伝えるとともに、世界の国や地域の情報や知見が広く共有されることや新型コロナの起源の調査が重要だと指摘したのに対し、テドロス氏は日本のWHOに対する貢献への謝意を示しました。

これに続いて菅総理大臣は、モンゴルのオユーンエルデネ首相と会談し「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力を一層進めることや、北朝鮮による拉致問題の即時解決に向け引き続き協力していくことで一致しました。

菅首相 米大統領夫人と懇談「訪日を心から歓迎」

菅総理大臣は22日夜、東京オリンピックの開会式にあわせて日本を訪れている、アメリカのバイデン大統領のジル夫人と夕食をとりながら懇談しました。

懇談は、迎賓館でアクリル板を設置するなど新型コロナウイルス対策を講じたうえで、真理子夫人とともに夕食をとりながら1時間余り行われました。

この中で菅総理大臣は「訪日を心から歓迎する。ジル夫人の開会式への出席は日米関係上も大変、大きな意義がある」と述べました。

これに対しジル夫人は「イギリスで行われた先のG7サミット=主要7か国首脳会議以来の再会をうれしく思う。東京大会の成功を願っている」と述べました。

そして、東京大会や教育など幅広いテーマで意見を交わしました。