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リスク高い行動 徹底回避を

首都圏で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、1都3県の知事が共同メッセージをまとめ「非常事態にあるとの危機感のもと、リスクの高い行動を徹底的に避けていただきたい」として、都と県の境を越える移動は控えるなど、対策への協力を求めました。

東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県の知事は、オンラインで会議を開き、新型コロナウイルス対策について協議しました。

この中で、知事らは、インドで確認された「L452R」の変異があるウイルスへの置き換わりが進む中、新規陽性者や入院患者が増え続けているなどとして、危機感を示しています。

そのうえで都民・県民に向けた共同メッセージとして「このままでは、更なる対策を講じることで、爆発的な感染拡大や医療提供体制のひっ迫を食い止めることを検討せざるをえない」としています。

そして「感染急増の非常事態にあるとの危機感のもと、この夏はリスクの高い行動を徹底的に避けていただきたい」として、家でも基本的な感染対策を行い都と県の境を越える移動は控えるなど対策への協力を求めました。

埼玉 大野知事「極めて危機的状況」

首都圏の1都3県の知事によるテレビ会議で、埼玉県の大野知事は「現在の感染状況は第4波のピークを軽く越え、実効再生産数が1.5を超えるなど極めて危機的状況と考えています。都内で感染して埼玉の家庭や事業所で感染を広げる状況になっているので県境を越える往来を控え、都内に行く場合も対策を講じたうえで直行直帰を徹底してほしい」と述べました。

会議のあと、大野知事は、県内合わせて20の市と町に適用されている「まん延防止等重点措置」の措置内容について、現時点で変えるつもりはないとしたうえで「深刻な状況なので今後は緊急事態宣言を含めて、決して遅れることがないよう、必要な措置を行っていきたい」と述べ、緊急事態宣言の発出を国に要請することも選択肢のひとつだという考えを示しました。

千葉 熊谷知事「感染防止行動の徹底を」

首都圏の1都3県の知事によるテレビ会議で、千葉県の熊谷知事は21日に県内で302人の感染が発表されおよそ半年ぶりに300人を超えたことについて「感染の急拡大が続き特に20代の感染者の数が伸びている。病床使用率は42.8%と高い数字となっている」と述べ現状への危機感を示しました。

また「『まん延防止等重点措置』の対象地域を順次追加しているが今後も病床の状況を踏まえ、東京都との往来が多いエリアを中心に追加をしていかざるをえない」としたうえで「あすからの4連休や夏休みは、人の往来が激しくなるため、1都3県での連携を密にして、できるかぎり感染防止行動を徹底してもらえるように協力していきたい」と述べました。

神奈川 黒岩知事「3県一体となって」

首都圏の1都3県の知事によるテレビ会議が行われ、神奈川県の黒岩知事は「国への緊急事態宣言の要請は、千葉と埼玉が緊急事態宣言を要請するレベルになった時に、3県で一体となって行いたい」と述べました。

黒岩知事は、会議のあとの取材に応じ「きょうの時点で千葉と埼玉は国に宣言を要請するタイミングではないという認識だが、神奈川県だけでやってもあまり意味はないので、次のカードを使うのは1都3県が並ぶことを一つの基準にしたい」と話したうえで、県民に対し「4連休やオリンピックで開放的な気持ちになる季節だが、危機意識を共有してもらい、抑制的な夏の過ごし方をお願いしたい」と述べていました。