東京都議選告示271人立候補
党首らも訴え 国政選挙並み

任期満了に伴う東京都議会議員選挙が25日、告示され、来月4日の投票日に向けて9日間の選挙戦に入りました。秋までに行われる衆議院選挙の前哨戦とも言われる今回の選挙に各党とも国政選挙並みの態勢で臨んでいて、都民ファーストの会が第1党を維持できるかや、選挙協力を行う自民党と公明党で過半数を獲得できるかが焦点となります。

42選挙区の定員127に対し271人立候補

任期満了に伴う東京都議会議員選挙は25日、告示され、午後5時で立候補の受け付けが締め切られた結果、42の選挙区の127の定員に対して271人が立候補しました。

このうち都議会や国会に議席を持つ政党や政治団体の公認候補は、
▽都民ファーストの会が47人、
▽自民党が60人、
▽公明党が23人、
▽共産党が31人、
▽立憲民主党が28人、
▽日本維新の会が13人、
▽東京・生活者ネットワークが3人、
▽国民民主党が4人、
▽れいわ新選組が3人、
▽古い政党から国民を守る党が2人となっています。

このほかに、諸派や無所属の57人が立候補しています。

選挙の焦点は

今回の選挙は、10月に任期満了を迎える衆議院選挙の前哨戦とも言われていて、各党とも国政選挙並みの態勢で臨んでいます。

小池知事が特別顧問を務める都民ファーストの会が第1党を維持できるかや、自民党と公明党が合わせて過半数の議席を獲得できるかが焦点となります。

各党が選挙協力

4年前の前回、小池知事が代表を務めていた都民ファーストの会は公明党と選挙協力を行いましたが、今回は、自民党と公明党が選挙協力を結んで臨みます。

また、今回、共産党と立憲民主党は候補者を競合させないため一部の選挙区ですみ分けを行っていて、議席の上積みをねらいます。

都内の新型コロナウイルスの感染状況は再拡大の予兆が見られると指摘される中、選挙戦では、コロナ対策のほか、東京オリンピックへの対応などをめぐって論戦が繰り広げられる見通しです。

東京都議会議員選挙は9日間の選挙戦を経て、来月4日に投票が行われ、即日開票されます。

小平市選挙区 新人2人が無投票当選

小平市選挙区では2人の新人の無投票での当選が決まりました。

無投票での当選が決まったのは
▽立憲民主党の新人で、東京・生活者ネットワークと、社民党が推薦する元小平市議会議員の竹井庸子氏(55)と、
▽自民党の新人で、公明党が推薦する元小平市議会議員の磯山亮氏(41)の2人です。

東京都選挙管理委員会によりますと、都議会議員選挙での無投票当選は昭和38年に八王子市で無投票となって以来、58年ぶりだということです。

【党首らの訴え】国政選挙並みの態勢で臨む各党

秋までに行われる衆議院選挙の前哨戦とも言われる今回の選挙に各党とも国政選挙並みの態勢で臨んでいて、各党の党首が出陣式や街頭などで支持の拡大を訴えました。

都民 荒木代表「小池知事の改革をしっかり支えていく」

都民ファーストの会の荒木代表は「小池知事が都議会で改革を行っていくために、私たち、都民ファーストの会がしっかりと支えていく。コロナ禍にあって、都民の代弁者はいるのでしょうか。東京オリンピック・パラリンピックでも都民の暮らしや命がないがしろになっている。命懸けで、都民の生活、命、そして、暮らしや事業を守り抜いていく覚悟であります。古くて遅くて、頼れない国を、そして都議会を、しっかりとスピード感を持って新しく変えていきたい」と述べました。

自民 菅首相「東京都の成長が日本の成長に」

自民党の菅総理大臣は、党本部で行われた出陣式で、「ワクチン接種に全力を挙げている。国民の安全安心を何としても確保していきたい。東京オリピック・パラリンピックで最優先すべきは安全安心だ。災害に強いまちづくり、あるいは観光都市や金融センター、中小企業対策など、連携をしながら、東京都を成長させる。それが日本の成長につながる」と述べました。

公明 山口代表「市議や区議など組織網生かしコロナに対応」

公明党の山口代表は、東京 調布市で、「コロナ対応は、政府・国だけでできるものではない。皆様の声をキャッチできる力がなければならず、市議会議員や区議会議員、それに、国会議員のいない政党ではできない。ネットワークを生かして、コロナに安心して立ち向かい、乗り越えられるように進めていく」と訴えました。

共産 志位委員長「都民と国民の命守るため五輪は中止すべき」

共産党の志位委員長は、東京 新宿区で「新たなリバウンドの危険も起こっている。やるべきことを怠ってきた政治の責任であり、菅政権と小池都政による人災ではないか。都民と国民の命を守る最良の方法は何か、オリンピックをきっぱり中止することではないか」と訴えました。

立憲 枝野代表「国家的な危機の際 支えになる政治を作っていく」

立憲民主党の枝野代表は、東京 武蔵野市で「私たちの国はどこかで道をあやまった。経済合理性、採算性、とにかくお金を稼げと、どこかで行き過ぎたんじゃないか。この国家的、世界的な危機を迎えた時に『ちゃんと支えになる、そういう政治をつくれ』そういう意思を示していただかなければ政治は変わらない」と訴えました。

維新 片山共同代表「国政と都政を連動してやっていく」

日本維新の会の片山共同代表は東京 大田区で「この選挙は今後の都政を左右するだけでなく今後の国政にも大きな影響を与える。どの陣営も死に物狂いで闘っている。国政と首都の都政を連動してやっていきたい。そのためにはこの選挙にぜひ勝たしていただきたい」と述べました。

ネット 山内共同代表「コロナ禍での五輪開催は反対 即刻中止を」

東京・生活者ネットワークの山内玲子共同代表は「コロナ禍での東京オリンピックの開催は反対で、即刻中止を求める。また、男女平等の実現を目指すとともに、子どもも高齢者も障害のある方も、そしてLGBTQの方も多様な人たちの声を政治にいかしていきたい」と訴えました。

国民 玉木代表「感染防止と経済活動の両立のモデル 東京から」

国民民主党の玉木代表は、東京 世田谷区で「感染拡大防止と一方で経済社会活動をまわしていく。このことをいかに両立していくのか。両立のモデルを東京から発信していこうではないか」と訴えました。

れ新 山本代表「五輪を開催してよいのか」

れいわ新選組の山本代表は、東京 足立区で、「本当にオリンピックを開催してよいのか。命や生活を守るより政治がしているのは目の前のカネのことのみで、これでは社会が崩壊してしまう」と訴えました。

古党 立花党首「少数派の声を大事にしていく」

古い政党から国民を守る党の立花党首は、東京 大田区で、「少数派の声を大事にしていく。聞くだけではなくて、少数派に対してしっかりとした、税金を使ったサービスを行っていきたい」と訴えました。

ワクチン接種会場で期日前投票も

東京都議会議員選挙は、26日から期日前投票が始まりました。新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念される中での選挙戦ということもあって、自治体は、これまでにない対応を迫られています。

東京都議会議員選挙は、26日から期日前投票が始まりました。

一方で、都内の自治体では、新型コロナウイルスのワクチン接種も進められています。

港区では、26日から7か所で期日前投票が始まり、赤坂、高輪、芝浦の3か所は、先月から続いているワクチンの接種会場と同じ建物に投票所が設けられました。

赤坂にある区の施設の入り口では、担当者が、訪れた人に期日前投票かワクチンの接種かを確認して行き先を案内していました。

港区赤坂地区総合支所の支所長、中島博子さんは「全く初めてのことだが、どちらも今、大切なことなので、分かりやすい案内をこころがけたい」と話していました。