五輪・パラで相次ぐ
医師やボランティアの辞退

東京オリンピック・パラリンピックで各競技会場の医療責任者を務めることになっていた医師が辞退するケースが相次いだことが医療関係者などへの取材で分かりました。
組織委員会は、大会が7月に迫る中、代わりとなる医師の確保を進めています。

東京オリンピック・パラリンピックの各競技会場では、災害やテロ、発熱患者などに備えてVMOと呼ばれる会場医療責任者の医師が配置され、ほかの医療スタッフを統括し観客の治療などを担う計画になっています。

ところが、このVMOを務めることになっていた医師が、業務の多忙などを理由に辞退するケースが相次いだことが医療関係者や組織委員会への取材でわかりました。

組織委員会は、代わりにVMOを務める医師の確保を進めていて、5月「日本救急医学会」に対し、協力してくれる医師を7人程度、推薦してほしいと要望しました。

NHKの取材に対して組織委員会は「VMOの先生方の中にはご協力いただくことが難しくなった方もいらっしゃいます。関係各所に相談させていただいているところです」としています。

五輪会場の医療体制 VMOとは

VMOはそれぞれの競技会場の医療スタッフを統括する責任者で、大学病院の救急医などが選ばれます。

会場ではVMOのもとに「選手用医務室」と「観客用医務室」が設置され、発熱した人を隔離するためのテントも設けられます。

VMOを務める医師は必要な医療スタッフの確保など体制の整備も担っています。

そして、大会期間中に災害やテロがあったり発熱患者が発生した場合はスタッフを指揮して対応に当たります。

一方、VMOのもとで対応にあたる医療スタッフの確保も課題となっています。

組織委員会は、延期前の当初の計画では会場に配置される医師や看護師は合わせておよそ1万人が必要だとしていました。

現在は、コロナ対応に支障が出ない形で医療体制を構築するとして、必要な人数を3割程度を削減し、7000人の確保を目指すとしています。

組織委員会では、コロナ対応に直接関わらない医師らの確保を進めるとしていて、このうち日本スポーツ協会に対しては医師200人程度を確保するための協力を求めたところ、これを上回る395人の応募があったということです。

こうした取り組みを進めた結果、組織委員会の橋本会長は5月の会見で、1日最大で医師が230人程度、看護師が310人程度となる想定を示し、このうち8割程度は確保できるめどが立ったとしています。

東京五輪・パラのボランティア 約8万人のうち1万人辞退

東京オリンピック・パラリンピックの競技会場や選手村などで活動するボランティアおよそ8万人のうち、辞退者がおよそ1万人に上っていることが大会組織委員会への取材でわかりました。
大会組織委員会は、背景にコロナ感染への懸念や大会延期による環境の変化があると見ていて、ボランティアにオリンピックとパラリンピックの活動を兼務してもらうなどの対応を取り、大会運営には問題がないとしています。

組織委員会は、東京大会の競技会場や選手村などで活動する「フィールドキャスト」と呼ばれる大会ボランティアおよそ8万人を採用していましたが、ことし2月の森前会長の発言をきっかけに辞退者が相次ぎました。

その後もコロナ感染への懸念や転勤といった環境の変化を背景に、辞退者の数が1日までにおよそ1万人に上っていることがわかりました。

これについて組織委員会の武藤事務総長は「スケジュール表を見て活動が難しいと思う人もいたと思う。オリンピックとパラリンピック両方で活動してもらうなどの対応を取り、運営に問題はないと考えている」としています。

組織委員会によりますと、ボランティアを含む国内から東京大会に参加する関係者はオリンピックでおよそ19万人、パラリンピックでおよそ11万人の合わせて延べ30万人に上り、このうち、警備や輸送などに当たるスタッフが延べ19万人、組織委員会の職員が延べ1万4000人などとなっているということです。